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可憐
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いとし
ふりがな文庫
“
可憐
(
いとし
)” の例文
けれど、妾もあの通り、
可憐
(
いとし
)
い妹を振り捨て、受けられる栄華をも捨て切って、身も命も貴方に投げ出しているのではございませぬか。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
可憐
(
いとし
)
の
女
(
ひと
)
よと手を取らむとすれば、若衆姿の奈美女、恥ぢらひつゝ払ひ
除
(
の
)
け。心
急
(
せ
)
き給ふ事なかれ。まづ
此方
(
こちら
)
へ入らせ給へ。
白くれない
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ああお前は
俺
(
わし
)
にとって、黄金よりも珠よりももっともっと
可憐
(
いとし
)
く思われる時もあれば、斬り殺しても飽き足りないほど憎く思われる時もある。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
さしもこの穢れたる世に
唯
(
ただ
)
一つ穢れざるものあり。喜ぶべきものあるにあらずや。貫一は
可憐
(
いとし
)
き宮が事を思へるなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
と直きその
傍
(
そば
)
に店を出した、
二分心
(
にぶしん
)
の下で
手許
(
てもと
)
暗く、
小楊枝
(
こようじ
)
を削っていた、人柄なだけ、
可憐
(
いとし
)
らしい女隠居が、黒い
頭巾
(
ずきん
)
の中から、隣を振向いて、
掠
(
かす
)
れ掠れ笑って言う。
露肆
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
しかしそれは当たらず、小菊は昔しの抱え主を訪ね、幼い時代の
可憐
(
いとし
)
げな自分の姿を追憶し、しみじみ身の上話がしたかったのであった。やり場のない憂愁が胸一杯に
塞
(
ふさ
)
がっていた。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
だが、弟子や小僧たちは、皆、二階のお粂を
不愍
(
ふびん
)
がった。
情夫
(
おとこ
)
があると聞けば、よけいに、
可憐
(
いとし
)
がるのだった。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
若い美貌の先達によって、自分を
可憐
(
いとし
)
と云われたことが、嬉しく思われてならないのであった。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
頼まるるも宮が心
也
(
なり
)
と、彼は
可憐
(
いとし
)
き宮を思ひて、その父に対する
慍
(
いかり
)
を
和
(
やはら
)
げんと
勉
(
つと
)
めたり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
惚れてよ、可愛い、
可憐
(
いとし
)
いものなら、なぜ命がけになって貰わない。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
とさえ
可憐
(
いとし
)
まれて、自分という者がついていながら、この幾十日のあいだ、子達に、甘い物を胃に
摂
(
と
)
らせてやれなかった責めを、母の罪とさえ感じるのであった。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
其方
(
そち
)
には大切で恋しいか! ……よーしそれではその主税めを! ……が、まアよい、まアその中に、その主税様を忘れてしまって、頼母様、頼母様と
可憐
(
いとし
)
らしく、わしを呼ぶようになるであろう。
仇討姉妹笠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
雪の朝の不忍の天女
詣
(
もうで
)
は、
可憐
(
いとし
)
く、可愛い。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼には、
処女心
(
おとめごころ
)
の清純というものを、この時、
可憐
(
いとし
)
いと思うような余裕はなかった。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
可憐
(
いとし
)
と……可憐と……おぼしめしましてか?」
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
(
可憐
(
いとし
)
とおっしゃった、この呉服を可憐と)
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
などと
可憐
(
いとし
)
がる者はない。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
髪の中に
可憐
(
いとし
)
くも隠してあったわい
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
可
常用漢字
小5
部首:⼝
5画
憐
漢検準1級
部首:⼼
16画
“可憐”で始まる語句
可憐想
可憐也
可憐児
可憐相
可憐小女去邀賓
可憐春半不還家