反感はんかん)” の例文
いや、この老婆らうばに對すると云つては、語弊ごへいがあるかも知れない。寧、あらゆる惡に對する反感はんかんが、一分毎に強さを増して來たのである。
羅生門 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
にくらしくても、反感はんかんは抱いていても、人間には、強い颯爽さっそうたるものを無条件に讃美し、敬慕する傾向けいこうがあります。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
私は大体秩序を尊重そんちょうするたちだから、この手紙には強い反感はんかんをもった。我慢力が無いと内心いきどおった。それでも十五歳の姉娘あねむすめが心配し出した。行って見てくるという。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
かてとぼしい村のこどもらが、都会文明とかいぶんめい放恣ほうし階級かいきゅうとにたいするやむにやまれない反感はんかんです。
……ともだちは、反感はんかん輕侮けいぶつ。精々せい/″\同情どうじやうのあるのが苦笑くせうする。とつた次第しだいだが……たゞくるまけてはかたがうまい、と——もつと御容子ごようすではない——いてる車夫わかいしゆめられた。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
これは八五郎の手で召捕られて、間もなく處刑されましたが、『忠義酒屋』の加島屋は、忠義が人氣取の芝居とわかつて、江戸つ子の反感はんかんを買ひ、惡評の中に見る/\沒落して行きました。