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双肌
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もろはだ
ふりがな文庫
“
双肌
(
もろはだ
)” の例文
旧字:
雙肌
又も大盃を
呷
(
あお
)
り付けて、素敵に酔払っているらしく、
吉角力
(
きちずもう
)
の大関を取ったという
双肌
(
もろはだ
)
を脱いで、素晴らしい筋肉美を露出している。
笑う唖女
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
死骸の帯を
緩
(
ゆる
)
めて、
双肌
(
もろはだ
)
脱がせると、背から尻へかけて、一面の
青痣
(
あおあざ
)
、それに相応して着物の破れなどのあるのを確かめると
銭形平次捕物控:028 歎きの菩薩
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
双肌
(
もろはだ
)
脱いだ儘
仰向
(
あふむけ
)
に寝転んでゐると、明放した二階の窓から向ひの氷屋の
旗
(
フラフ
)
と乾き切つた瓦屋根と真白い綿を積み重ねた様な夏の雲とが見えた。
氷屋の旗
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「そうだ、こいつは正真正銘のぎりぎり結着だ、手を貸してくれるか忠さん」「いいとも、乗りかかった舟だ、
双肌
(
もろはだ
)
ぬぎでやろうじゃあねえか」
恋の伝七郎
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
縁ばなへきて
双肌
(
もろはだ
)
ぬぎになると、いつものように台所から
濡
(
ぬ
)
れ手を
拭
(
ふ
)
き拭き女房があがってくる。
冬枯れ
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
▼ もっと見る
其の頃は今と違いまして花見の風俗は随分
下卑
(
げび
)
たもので、鼻先の
円
(
まる
)
くなった
百眼
(
ひゃくまなこ
)
を掛け、一升樽を
提
(
さ
)
げて
双肌
(
もろはだ
)
脱ぎの若い
衆
(
しゅ
)
も多く、長屋中総出の花見連、
就中
(
なかんずく
)
裏店
(
うらだな
)
の
内儀
(
かみ
)
さん達は
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
九郎は
双肌
(
もろはだ
)
を脱いで立ちあがり、ペツと頑固な拳骨に息を吐きかけたかと思ふと、バツトを振るやうな身構へで、いきなりグワンと私の脳天に物凄い横擲りを喰はせた。それと同時に
鎧の挿話
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
金で使われているのを気が付かずに、向う鉢巻きの
双肌
(
もろはだ
)
脱いでかけまわるほど憐れな人種となり果てたのであった。
街頭から見た新東京の裏面
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
寢卷は
双肌
(
もろはだ
)
を押し脱いだまゝ、髮は少し亂れて、顏にはたいした苦惱の色もなく、生前の活々した美しさはないにしても、決して
醜
(
みにく
)
い姿ではありません。
銭形平次捕物控:225 女護の島異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
どちらも若く、一人は
双肌
(
もろはだ
)
ぬぎ、一人は
褌
(
ふんどし
)
に白い
晒木綿
(
さらし
)
の腹巻だけで、その裸の男のほうが去定に呼びかけた。
赤ひげ診療譚:05 徒労に賭ける
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
クルリと
双肌
(
もろはだ
)
を脱ぐと、鯛六の襟髪を掴んで、溝板の上へ犬っころ投げに叩き付け、少し斜めに、背中一面に朱入で彫った張飛の
刺青
(
ほりもの
)
を覗かせて、見得を切ります。
新奇談クラブ:06 第六夜 人形の獄門
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
双肌
(
もろはだ
)
ぬぎになって髪を洗ってる女なんかにぶつかると、どうしても眼をやらずにはいられなくなる、あとで自分をいやらしい野郎だと思い、死にたいほど恥ずかしくなるが
ちいさこべ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
恭
(
うやうや
)
しく礼拝を遂げた。威儀を正して
双肌
(
もろはだ
)
を
寛
(
くつろ
)
げた。
名君忠之
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
二十貫もある大きな猪でございました、原田どのは
双肌
(
もろはだ
)
ぬぎになって、山刀でみごとに腹を裂き、皮を
剥
(
は
)
ぎ、肩や
腿肉
(
ももにく
)
を切り取って、半
刻
(
とき
)
と経たぬまに、きれいに拵えてしまわれました。
樅ノ木は残った:02 第二部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
多い毛を
男髷
(
おとこまげ
)
にあげて、先をザブリと
剪
(
き
)
ったのが見得、
双肌
(
もろはだ
)
を脱いで、
縮緬
(
ちりめん
)
の
長襦袢
(
ながじゅばん
)
一つになり、金沢町自慢の「坂上田村麿」の山車の先登に立つと、全く活きた人形が揺ぎ出したようで
銭形平次捕物控:017 赤い紐
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
静かに
双肌
(
もろはだ
)
を
寛
(
くつろ
)
げながら小刀の鞘を払った。
斬られたさに
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
胸が痛むから診てくれと云って、こっちがなにも云わないうちに、くるっと、いさましく肌ぬぎになった、
双肌
(
もろはだ
)
ぬぎだ、いやその美しいこと、女の肌は見馴れているが、あんなに美しい胸を
五瓣の椿
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
双肌
(
もろはだ
)
ぬぎになり、右手に掛矢を持って、血ばしった眼をぎらぎらさせている。裸の肩はまさに雄牛のような肉づきで、左の首の付け根にある瘤も、健康な肉の盛りあがりとしかみえなかった。
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
双
常用漢字
中学
部首:⼜
4画
肌
常用漢字
中学
部首:⾁
6画
“双肌”で始まる語句
双肌脱