印形いんぎやう)” の例文
取役人共印形いんぎやう取置申候且又古河穀屋儀左衞門方より穀代こくだい金百兩富右衞門へ相渡あひわたし候おもむき是又呼上吟味ぎんみ仕つり書付請取うけとり申候右のとまり所相違さうゐも無御座候以上
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「もうわかつたから、それぢや自分じぶん仕事しごとをするがいい、のちにわしが申報書しんぱうしよこしらへてるから、それへ印形いんぎやうせばそれで手續てつゞきむんだからな」巡査じゆんさはさういつてさうして被害者ひがいしや
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
あゝ一昨年から己れも日がけの集めに廻るさ、祖母さんは年寄りだから其うちにも夜るは危ないし、目が惡るいから印形いんぎやうを押たり何かに不自由だからね、今まで幾人いくたりも男を使つたけれど
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
取替とりかはせしに後藤ごとうへい四郎と申名の下におしたる印形いんぎやうは幸之進の實印に相違さうゐなく然れどもそればかりにてさだがたしとぞんじ茶屋ちややまゐこしの物をあらため見候に本夫をつと脇差わきざし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
自分がしければていよく然樣さやうなるべし何は兎もあれ五百兩かり候はんとてお常が合口あひくちなる親類しんるゐつれて三にん印形いんぎやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)