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切通
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きりどおし
ふりがな文庫
“
切通
(
きりどおし
)” の例文
すると
切通
(
きりどおし
)
一帯の
路地路地
(
ろじろじ
)
には済生学舎の書生で一ぱいになっていた。彼らは成城学校の生徒を逆撃しようと待ちかまえているところであった。
三筋町界隈
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
その
後
(
のち
)
、六郎が
切通
(
きりどおし
)
の坂を通って、新しい堂の前に往くと、きっと、
村雨
(
むらさめ
)
が降って来たり、
旋風
(
つむじかぜ
)
が吹き起ったりした。
頼朝の最後
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
わざと
切通
(
きりどおし
)
の方へ抜けて、どこへ往くと云う気もなしに、天神町から五軒町へと、忙がしそうに歩いて行った。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
向うの湯屋では板の間を
磨
(
こす
)
る音、男坂下なる心城院の門も
閉
(
しま
)
って、柳の影も暗く、あたりは寝て、
切通
(
きりどおし
)
の
方
(
かた
)
には矢声高く、
腕車
(
くるま
)
の
疾
(
と
)
く
軋
(
きし
)
るのが聞えたが、重宝なもので
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
本郷の金助町に何がしを訪うての帰り例の如く車をゆるゆると歩ませて
切通
(
きりどおし
)
の坂の上に出た。それは夜の九時頃で、初冬の月が
冴
(
さ
)
え渡って居るから病人には寒く感ぜられる。
熊手と提灯
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
▼ もっと見る
「この
切通
(
きりどおし
)
が出来て大助かりですよ」
村の成功者
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
彼の自動車で上野の
広小路
(
ひろこうじ
)
まで往って、そこから電車へ乗るつもりで降りたがまた例の病気が起って、夜店の古本が
覗
(
のぞ
)
きたくなったので、
切通
(
きりどおし
)
へ寄った方の
人道
(
じんどう
)
へと往った。
妖影
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
過日
(
いつか
)
切通
(
きりどおし
)
の
枳殻寺
(
からたちでら
)
で施米があると云うから、この足で、
鮫
(
さめ
)
ヶ橋から湯島
下
(
くんだ
)
りまで、お
前様
(
まえさん
)
、小半日
懸
(
かか
)
って行ったと思わっしゃれ、そうすると切符を渡して、なお前様、
明日
(
あした
)
来い
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
辻俥
(
つじぐるま
)
の
蹴込
(
けこみ
)
へ、ドンと積んで、
山塞
(
さんさい
)
の中坂を乗下ろし、三崎
町
(
ちょう
)
の原を切って、水道橋から
壱岐殿坂
(
いきどのざか
)
へ、ありゃありゃと、
俥夫
(
くるまや
)
と矢声を合わせ、
切通
(
きりどおし
)
あたりになると、社中随一のハイカラで
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
周防は非常に
歎
(
なげ
)
いたが、
女
(
むすめ
)
の
乳母
(
うば
)
の口から、
女
(
むすめ
)
が生前畠山六郎を思うていたと云うことを聞かされると、
女
(
むすめ
)
の姿を絵に
画
(
か
)
かし、そのうえ木像もこしらえて、
切通
(
きりどおし
)
三
間
(
げん
)
の堂を建ててそれを収めた。
頼朝の最後
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
あの
切通
(
きりどおし
)
へ
懸
(
かか
)
りました時分には、ぴったり人通りがございません。
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
切
常用漢字
小2
部首:⼑
4画
通
常用漢字
小2
部首:⾡
10画
“切通”で始まる語句
切通坂