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冗戯
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じょうだん
ふりがな文庫
“
冗戯
(
じょうだん
)” の例文
そこで儲けている一つかみの黄金があれば、一村の
飢餓
(
きが
)
が救われるであろうほどの物を、まるで、
冗戯
(
じょうだん
)
みたいに、遣り取りしていた。
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この涼しさに元気づいて、半分は
冗戯
(
じょうだん
)
だが、旅をすれば色々の事がある。
駿州
(
すんしゅう
)
の阿部川
餅
(
もち
)
は、そっくり
正
(
しょう
)
のものに木で
拵
(
こしら
)
えたのを、盆にのせて、看板に出してあると云います。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その間また断えず主任教授の理不尽な圧迫が学閥なき私に加えられたので、今日その当時を回想すると面白かったとは
冗戯
(
じょうだん
)
半分いえない事も無いでは無いが、しかし誠に閉口した。
牧野富太郎自叙伝:01 第一部 牧野富太郎自叙伝
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
冗戯
(
じょうだん
)
が
執拗
(
しつこ
)
いと直き腹を立てまして、なんでも、江戸の
鳶
(
とび
)
の衆を、船から二三人
櫂
(
かい
)
で以て叩き落したと云いますからね。あなた方にそんな事も御座いますまいが、どうかそのおツモリで
悪因縁の怨
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
若いおかみさんは、さっさと立って裏の川を覗きながら、今度はそこで晩の
支度
(
したく
)
をしている抱え船頭と、明るい声で何か
冗戯
(
じょうだん
)
を云っていた。
春の雁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
江戸の庶民は、法の重圧や、疾苦を、こんな
冗戯
(
じょうだん
)
や
洒落
(
しゃれ
)
でまぎらす
術
(
すべ
)
のみ知って、「なぜ人間が」とは考えなかった。
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
何かと存ずれば、友人として
冗戯
(
じょうだん
)
も程になされい。——降伏を乞いに来たのかと思うたゆえ、会見をゆるしたのじゃ。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ご
冗戯
(
じょうだん
)
でしょう。
新渡
(
しんと
)
じゃあござんせんぜ。これくらいな
古渡
(
こわた
)
りは、
長崎
(
あっち
)
だって
滅多
(
めった
)
にもうある品じゃないんで」
春の雁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
冗戯
(
じょうだん
)
仰
(
おっ
)
しゃっちゃいけませんぜ。娘は宿元へ引き取ってからもう半月にもなるんだ。身を
退
(
ひ
)
いた
後々
(
あとあと
)
の失くなり物まで、罪を負わせられて堪るものか。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
薪の束に腰をおろし、大勢の者の他愛ない
冗戯
(
じょうだん
)
を、同苦坊はニヤニヤ笑って聞いていた。虱にも正月を——と、今ひとりがいったことばに合掌していた。
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼は、紙と
矢立
(
やたて
)
を出して、筆談を試みようとしたが、全然、盲目だ。
冗戯
(
じょうだん
)
を書いてみせても、笑いもしない。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「首を? ……
冗戯
(
じょうだん
)
ではない、葬式は坊主のつとめ。おぬしに、死骸をまかせては、寺の商売が立ちゆかぬ」
宮本武蔵:02 地の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
朱実はそんな男たちやまた
養母
(
はは
)
を、心のうちであかの他人に思っていた。どんな
冗戯
(
じょうだん
)
でもいえるのである。
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「礼儀を重んじなければいけないといったくせに、その兵法者が、今みたいな
冗戯
(
じょうだん
)
をしてもいいのけい」
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それがすむと、初めて酒が出る順序になって、話は依然として仕事のことでも、だいぶくつろいだ空気になり、時々、
冗戯
(
じょうだん
)
が交じる、
洒落
(
しゃれ
)
が出る。笑い声が爆発する。
銀河まつり
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
冗戯
(
じょうだん
)
云っちゃアいけません、そんな意気地なしじゃねえ
心意
(
つもり
)
だが、聞けば、今夜の手曳きをする女って奴が、笊組の世話になっているお延だというじゃありませんか。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
冗戯
(
じょうだん
)
をいってるまに、
昏
(
くら
)
くなってしまう。じゃあ、ほんとに露八さんも、東京へ帰る気ね」
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
よく
冗戯
(
じょうだん
)
ばかりいっていらした佐野竹之介様だとか、お気さくな黒沢忠三郎様だとか、お馴じみのお方の名が何人も見えるんで、瓦版を仏壇に上げて拝んだものでございます。
旗岡巡査
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
冗戯
(
じょうだん
)
にも、人間仲間で、こんなことばを聞くことが近年では、めずらしくもなくなった。
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
殊に、小次郎には、
女護
(
にょご
)
ノ国へでも来た思いがした。——彼には、人々のような
冗戯
(
じょうだん
)
も口に出ず、ただ目をみはって、近づく岸の家々と、幾艘もの、遊女たちの船に、見とれていた。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
泣くな、泣くな、貂蝉、今のことばは、
冗戯
(
じょうだん
)
じゃよ。なんでそなたを、呂布になど与えるものか。——明日、
郿塢
(
びう
)
の城へ帰ろう。郿塢には、三十年の兵糧と、数百万の兵が蓄えてある。
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
冗戯
(
じょうだん
)
云っちゃいけねえ、博奕と喧嘩は待ったなしだ。この頃日の出の勢いで売り出した親分が、賭場の作法を知らねえじゃ通るめえ。丁肩へこの通り揃えた駒をどうしてくれるんだ」
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
やや気色が晴れてきたとみえて居酒屋の亭主に、
冗戯
(
じょうだん
)
などいいだした。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
海賊とは、
冗戯
(
じょうだん
)
であろう。小次郎は、うち消して、笑っていた。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
冗戯
(
じょうだん
)
じゃない。じゃあ先刻泥棒泥棒と呶鳴ったのは誰だ」
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すると彦兵衛は
冗戯
(
じょうだん
)
でも聞いている様に薄笑いをした。
鍋島甲斐守
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
歩きながら、利助はいつもの
冗戯
(
じょうだん
)
半分にこう云う。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『嘘を仰せられい。伝右どの、
冗戯
(
じょうだん
)
でござります』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いつも露八は、
冗戯
(
じょうだん
)
のように、そう云っていた。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ふ、ふ、
冗戯
(
じょうだん
)
をいいっこなしさ」
銀河まつり
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『ハハハ、
冗戯
(
じょうだん
)
ですよ。冗戯冗戯』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「え。今のは、
冗戯
(
じょうだん
)
なのけ」
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いや、
冗戯
(
じょうだん
)
でなく」
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
冗
常用漢字
中学
部首:⼍
4画
戯
常用漢字
中学
部首:⼽
15画
“冗戯”で始まる語句
冗戯口