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先触
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さきぶれ
ふりがな文庫
“
先触
(
さきぶれ
)” の例文
旧字:
先觸
新任の勤番支配が何用あって、
先触
(
さきぶれ
)
もなく自身出向いて来られたかということは、この家の執事を少なからず
狼狽
(
ろうばい
)
させました。
大菩薩峠:12 伯耆の安綱の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そしてまた、この愛情が
先触
(
さきぶれ
)
にすぎなかったも一つの新しい愛は、クリストフの心を奪い、そこにあるあらゆる他の光を薄らがせてしまった。
ジャン・クリストフ:04 第二巻 朝
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
トンカンと云う鉄の響が、近来警鐘の如く儂の耳に轟く。此は早晩儂を
此
(
この
)
巣
(
す
)
から追い立てる退去令の
先触
(
さきぶれ
)
ではあるまいか。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
湯本
(
ゆもと
)
の
立場
(
たてば
)
に着くと、もう
先触
(
さきぶれ
)
が通っているので、肩継人足が二十人近く、
息杖
(
いきづえ
)
をそろえて待ちかまえている。それへ
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「これは重大だ。ひょっとすると、一大
椿事発生
(
ちんじはっせい
)
の
先触
(
さきぶれ
)
かもしれない。みなさん、ゆだんなく気をつけて下さい」
三十年後の世界
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
其
(
その
)
骨の
尖角
(
とがり
)
の間から洩るる大空が、気味の悪いほどに
澄切
(
すみき
)
っているのは、
軈
(
やが
)
て真黒な雪雲を運び出す
先触
(
さきぶれ
)
と知られた。人馬の交通を
遮
(
さえぎ
)
るべき厳寒の時節も
漸
(
ようや
)
く迫り来るのである。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
と呼ぶ善どんを
先触
(
さきぶれ
)
にして、二三人の若い手合が大きな
薦包
(
こもづつみ
)
の荷を店の入口から持込んだ。大勝の連中のなかでは一番腕力のある吉どんが中心となって、太い
縄
(
なわ
)
を
掴
(
つか
)
みながら威勢よく持込んで来た。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
本陣へは
先触
(
さきぶれ
)
があって能登守の一行が占領してしまったけれど、林屋慶蔵というのと、殿村茂助という二軒の宿屋にも少なからぬ客が泊っていました。
大菩薩峠:11 駒井能登守の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「ナニ、やる奴に限って
先触
(
さきぶれ
)
は致しませんな、ただほんのイタズラでございますよ、
嚇
(
おどか
)
しに過ぎませんよ」
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「いかにも、貴殿がまことの和田静馬殿であることは、恵林寺の
先触
(
さきぶれ
)
でも
毛頭
(
もうとう
)
疑いのないところ、若松屋の若者こそ、甚だ怪しい、
篤
(
とく
)
と吟味を致さねばならぬ」
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
上野原の宿へ着いた時も、
先触
(
さきぶれ
)
がなかったから役員どもを驚かしました。
大菩薩峠:11 駒井能登守の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
と
先触
(
さきぶれ
)
をして各牢を廻って歩くと、牢内の一同が
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
先
常用漢字
小1
部首:⼉
6画
触
常用漢字
中学
部首:⾓
13画
“先”で始まる語句
先
先刻
先方
先生
先達
先鋒
先日
先祖
先途
先手