仔羊こひつじ)” の例文
お銀は仔羊こひつじのように柔順おとなしくなって来た。笹村の顔色を見ると、じきにその懐へ飛び込んで来るようなれしさを見せて来た。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
そして彼の我儘を助長する一方、仔羊こひつじのやうな從順さ、斑鳩まだらばとのやうな敏感さが彼の批判心を喜ばせ、常識を滿足させ、いくらか彼の趣味に合ひさへした。
なんでもない時は、それこそ仔羊こひつじよりもおとなしいが、何かのはずみで、いきなり猛烈に暴れ出す。で、そばにいると、いつどんな目に会うかもわからない。
博物誌 (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
行儀作法ぎゃうぎさはふ生粹きっすゐぢゃありやせん、でもほんこと仔羊こひつじのやうに、温和おとなしいひとぢゃ。さァ/\/\、小女いとよ、信心しんじんさっしゃれ。……え、もうみましたかえ、おひる食事しょくじは?
白い無気味ぶきみなものが、あっちへ行ったり、こっちへ来たりして、ちょうど母親を失った仔羊こひつじのように、闇のなかを泣き叫ぶのを見たら、おそらく君だってぞっとしたろうと思う。
そしてやうやく仔羊こひつじ一匹を手に入れ、景品として棕櫚酒しゆろしゆ一壺をもらひました。
アフリカのスタンレー (新字旧仮名) / 豊島与志雄(著)
のあたりにへ仔羊こひつじ
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
生れたての仔羊こひつじが、一日じゅう母親を見なかったので、おもてへとび出して、母親の腹にすがりつく。彼はそれらの仔羊に、それぞれ母親を見つけ出してくる。
こゝろ夜叉やしゃ! うつくしい虐君ぎゃくゝんぢゃ! はとはねからすぢゃ! 狼根性おほかみこんじゃう仔羊こひつじぢゃ! 神々かう/″\しうてこゝろさもしい! 外面うはべとは裏表うらうへ! いやしい聖僧ひじり氣高けたか惡黨あくたう! おゝ、造化主ざうくわしゅ
学校の子供が、雨天体操場で遊んでいる時のようだ。そのうちの一つが彼のあしの間へ飛び込む。ちょいと気味がわるい。もう一つが、天窓てんまどあかりの中を躍り上がった。仔羊こひつじだ。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
乳母 ぢゃうさま! これさ、ぢゃうさま! ヂュリエットさま! ぐっすりと睡入ねいってぢゃな、ぢゃう? はて、仔羊こひつじさんえ! はて、ひいさまえ! ま、こゝなお寢坊ねばうさんえ! はて、可憐いとしぼさん! これの