“睡入”の読み方と例文
読み方割合
ねい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それだけの狼狽ろうばいをさせるにしても快い事だと思っていた。葉子は宿直部屋べやに行って、しだらなく睡入ねいった当番の看護婦を呼び起こして人力車じんりきしゃを頼ました。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
その音におびえたのであらうか、今までは音無しく睡入ねいつて居たらしい彼の二疋の犬は、その時床の下からほの白く出て来るや否や、又いつものあの夕方の遠吠えを初めた……。
情慾の曇が取れて心の鏡が明かになり、睡入ねいッていた智慧ちえにわかに眼を覚まして決然として断案を下し出す。眼に見えぬところ、幽妙の処で、文三は——全くとは云わず——稍々やや変生うまれかわッた。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)