中折なかをれ)” の例文
坂上さかがみ外套ぐわいたうそでぢて、くびすよこざまにみながら、中折なかをれひさしから、對手あひて眉間みけんかしつつ
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
が、彼女は華奢きやしやな手に彼の中折なかをれを持つた儘、黙つて微笑したばかりであつた。
(新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
笛ひびき花の輿こしゆくあとの馬車中折なかをれを著る三尺のむこ
只今大膳よりきゝ及び承知したりしか箇樣かやう大望たいまうは中々うきたる事にては成就じやうじゆ覺束おぼつかなしまづ根本こんぽんより申合せてたくまねば萬一まんいち中折なかをれして半途はんと露顯ろけんに及ぶ時は千辛萬苦せんしんばんくも水のあわなるばかりか其身の一大事に及ぶべし先名乘なのり出る時は必ず其生れ所とそだちし所を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)