不恰好ぶかつかう)” の例文
そして時々その不恰好ぶかつかうな身體に合せては小さい四肢をかたみがはりに動かして自分の腹部の甲良を打つてゐた。打つごとにがちやりがちやりと音がした。
鴉と正覚坊 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
たい日本にほんをんなの足とたら、周三所謂いはゆる大根だいこんで、不恰好ぶかつかうみぢかいけれども、お房の足はすツと長い、したがツてせいたかかツたが、と謂ツて不態ぶざま大柄おほがらではなかツた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
さかきの生垣は脊丈が不揃ひになつて、その一列になつた頭の線が不恰好ぶかつかうにうねつて居る。
十位とをぐらゐでもそれから廿はたちるものでもみな前垂まへだれけてる。前垂まへだれがなければ彼等かれら姿すがた索寞さくばくとしてしまはねばらぬ。彼等かれらあしはぬ不恰好ぶかつかうしわつたしろ足袋たび穿いてる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
石器時代土偶中には其面貌そのめんばう實に奇異なるものあり。元來ぐわんらい是等土偶は身体全部しんたいぜんぶ悉皆比例正しく出來居できをるものにはあらざれど數個の土偶に於ては兩眼に當る部分ぶぶん殊に不恰好ぶかつかうに大きく作られたり。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)