七日目なぬかめ)” の例文
老いたる法師 あの物狂ひに出合つてから、もう今日は七日目なぬかめぢや。何でも生身しやうじんの阿弥陀仏に、御眼にかかるなぞと云うてゐたが。
往生絵巻 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
七日目なぬかめでも結いたてよりきれいで格好もよかった。私は夏の日、日盛りを稽古にゆくが、おしょさんの邪魔はしなかった。
受け口上のおもむきを聞き茫然ばうぜんと天をあふぎて歎息たんそくなし指屈ゆびをりかぞふればハヤ兩人出立しゆつたつなしてより今日は七日目なぬかめなり行路ゆくみち三日歸り路三日紀州表の調しらはやくして三日なり然ば九日くにちならでは歸り難し然るを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
非常ひじやう困難こんなんあひだに、三日みつか※去すぎさつたが、大佐たいさからはなん音沙汰おとさたかつた、また、左樣さう容易たやすくあるべきはづもなく、四日よつかぎ、五日いつかぎ、六日むいかぎ、その七日目なぬかめまでこのおそろしき山中さんちゆう
川は二三町の幅のあるのも一間二間の小流こながれも皆氷つて居る。積つた雪も其處だけ解けずにあるから、盛上つて痩せた人の靜脈の樣である。七日目なぬかめにまた一人の露西亞女が私の室の客になつた。
巴里まで (旧字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
今日はあれからちょうど七日目なぬかめである。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)