“沈着”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おちつ71.3%
おちつき16.3%
ちんちゃく6.3%
おちつい3.8%
ちんちやく2.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
日本人の仕事が一も二もなくおさえつけられて手も足も出せない当時の哈爾賓の事情を見ては、この上永く沈着おちつく気になれなくなった。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
然し、そう云った年配婦人の、淋し気な沈着おちつきと云うものは、また光子ぐらいの年頃にとると、こよなく力強いものに相違なかった。
絶景万国博覧会 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
本当に沈着ちんちゃくな花です。思い切って、一度にぱっと開くことの出来ない花です。梅の花の妙味みょうみはそこにあるのだと思います。
季節の植物帳 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
お勢母子ぼしの者の出向いたのち、文三はようやすこ沈着おちついて、徒然つくねんと机のほとり蹲踞うずくまッたまま腕をあごえりに埋めて懊悩おうのうたる物思いに沈んだ。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
今年ことし十二さい少年せうねんにはめづらしきまで大人似おとなびて、氣象きしよう凛々りゝしい、擧動きよどう沈着ちんちやくな、まるで、小櫻木大佐せうさくらぎたいさこゝるやうな、雄壯をゝしき少年せうねんとはなつた。