“レール”のいろいろな漢字の書き方と例文
ひらがな:れーる
語句割合
軌道43.6%
鉄軌20.5%
軌条12.8%
線路5.1%
鐵軌5.1%
鉄路2.6%
鐡軌2.6%
手縁2.6%
軌條2.6%
軌路2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それは見晴しのい峠の山道を、ひとりでゆっくり歩きたかったからであった。道は軌道レールに沿いながら、林の中の不規則な小径を通った。
猫町:散文詩風な小説 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
鉄軌レールがそれに映じて金色の蛇のように輝き、もう暗くなりかけた地面に、くっきり二条の並行線をかくしていた。
柿の種 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
犯人は途々みちみち毒の入った餌で豚を釣りながら線路の上まで連れて来ると、それから軌条レールの間へ動かない様に縛って尚幾何いくらかの毒餌どくえを与える。
とむらい機関車 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
千種十次郎はようやく話を線路レールへ戻しました。
音波の殺人 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
以て鐵軌レール延長のばし道路の修繕は縣官の功名心の爲に山を削り谷を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
ブライアン氏は、ぶつぶつ小言を言ひながら、とても約束の時日までには先方むかうに着きかねるといふ電報を打つた。鉄路レールが水に浸つたといふ文句は精々倹約して
米国の前国務卿ブライアン氏が、先年西部のあるまちへ講演に出かけた事があつた。ところが、その頃降り続いた雨のせゐで、河が溢れて鉄路レールが水につかつたので汽車は途中で立往生をしてしまつた。
灰色の停車場から、幾條もの鐡軌レールが、白くすら/\と流れ出てゐるのが眺められた。平つたい感じのする屋根の間からは、處々、白い煙が騰つた。
受験生の手記 (旧字旧仮名) / 久米正雄(著)
小さい玩具の電車が、向うの隧道とんねるの中から出て、そこの花野に敷かれた鐡軌レールを傳はつて走る中、橋のない川に來かゝる。すると水中から突如として鐡橋が都合よくせり上がる。
受験生の手記 (旧字旧仮名) / 久米正雄(著)
それから端艇ボートは、上甲板の手縁レールとおなじ線におろしておいてください。いや、すぐ降ろせるように。それから、水樽とビスケットを……
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
軌條レールに空が映つてゐる、それを前にして機關車がとまつてゐる。淡い煙を吐いて、背中に陽炎をたてて、黒く光つた機關車に、機關手が金槌をあててゐる。そして何だか仲間に呼びかけてゐる。
(旧字旧仮名) / 三好達治(著)
停車場で直樹に別れた三吉は、直ぐその足で軌路レールわきを通って、学校へ廻った。日課を終った後、三吉は家の方へ帰ろうとして、復た鉄道の踏切を越した。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)