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をんばう
隱亡彌十に頼み
燒棄させ候段不屆に付
存命致し
居候はゞ
重き御
仕置にも
仰せ付らる
可の
所鈴ヶ森に於て
殺害致されしにより其
罪を
聞て重四郎
成程々々好氣味なり然し此
儘斯しても置れまいと兩人
呟き居る折から此物音に驚きて
隱亡彌十
髭蓬々と
髮振亂し手には
鴈投火箸を
始め彼三五郎鴻の巣なる鎌倉屋金兵衞其
外野州浪人八田掃部三加尻茂助練馬藤兵衞などの
菩提を
弔ひ又元栗橋の
隱亡彌十などの
安穩に歸島致す樣
祈祷を
穏坊の
畜生、
此方へ
這入て
来やアがると
肯ねえぞ、
無闇に
這入やアがるとオンボウ
焼いて
押付けるぞ。と
悪体をつきながら
穏坊の
袖の
下を
掻潜つてスーツと
駈出して
行きました。
えらう早く
来たな、まだ
薄暗いのに。金「エヘヽヽ
昨晩は
大にお
喧ましうございます。坊「ウム
値切た人か、サ
此方へ
這入んなさい。金「へい、
有難う。坊「
穏坊/\、見て
上げろ。 ...