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まいをり
千代ちやん
今日は
少し
快い
方かへと二
枚折の
屏風押し
明けて
枕もとへ
坐る
良之助に
乱だせし
姿恥かしく
起きかへらんとつく
手もいたく
痩せたり。
宗助は
横になつて
烟草を
吹かしながら、
是より
以上は
何とも
語らなかつた。
小六も
默つて、
座敷の
隅に
立てゝあつた二
枚折の
抱一の
屏風を
眺めてゐた。
納戸から
取り
出して
貰つて、
明るい
所で
眺めると、
慥かに
見覺のある二
枚折であつた。
二
枚折だけれども、
座敷の
位置と
廣さから
云つても、
實は
寧ろ
邪魔な
裝飾であつた。