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偖其夜も
白々と明渡りけるに大勢の客人共は皆々一同に
起出嗽ひ
手水を
遣ゆゑ後藤半四郎も同じく
起出て
嗽ひ
手水を
急ぐ程に
頓て
宿場共思はるゝ所へ出し頃は夜は
白々と
明放れ往來の旅人も多く有ければ兩人は
漸々心落付初めて勞れを覺え
先づ此邊にて
一息繼んと茶見世に立寄て腰を掛ければ茶店の
親父は茶を
月が
晃々と
窓を
射たので、
戞然と
玉の
函を
開いたやうに、
山々谷々の
錦葉の
錦は、
照々と
輝を
帶びて
颯と
目の
前に
又卷絹を
解擴げた。が、
末は
仄々と
薄く
成り
行く。