“ほのぼの”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
仄々83.3%
杳眇5.6%
隠々5.6%
隠約5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
びちょびちょの外便所のそばに夕顔が仄々ほのぼのと咲いていた。母は二階の物干で行水ぎょうずいをしていた。尾道は水が不自由なので、にないおけ一杯二銭で水を買うのだ。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
金煙管きんぎせるたばこひと杳眇ほのぼのくゆるを手にせるまま、満枝ははかなさの遣方無やるかたなげにしをれゐたり。さるをも見向かず、いらへず、がんとして石の如くよこたはれる貫一。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
厚きしとねの積れる雪と真白き上に、乱畳みだれたためる幾重いくへきぬいろどりを争ひつつ、あでなる姿をこころかずよこたはれるを、窓の日のカアテンとほして隠々ほのぼの照したる
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
夜すがら両個ふたりの運星おほひし常闇とこやみの雲も晴れんとすらん、隠約ほのぼの隙洩すきもあけぼのの影は、玉の長く座に入りて、光薄るる燈火ともしびもとに並べるままの茶碗の一箇ひとつに、ちひさ有りて、落ちて浮べり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)