隠約ほのぼの)” の例文
旧字:隱約
夜すがら両個ふたりの運星おほひし常闇とこやみの雲も晴れんとすらん、隠約ほのぼの隙洩すきもあけぼのの影は、玉の長く座に入りて、光薄るる燈火ともしびもとに並べるままの茶碗の一箇ひとつに、ちひさ有りて、落ちて浮べり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)