“ほうえん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
豊艶26.9%
法筵19.2%
保延19.2%
法莚11.5%
砲煙7.7%
法縁3.8%
烽烟3.8%
砲烟3.8%
豊婉3.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
マダムは二十七、八の美人で芸者あがりだから世帯しょたいじみたところがなく、濃厚な色気そのもの、豊艶ほうえんで色ッぽい。
オモチャ箱 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
十二月二十四日は枕山が父竹渓の十七年忌に当るので、梅痴上人は枕山のために竹渓父子の知人を増上寺の学寮に招いで盛大なる法筵ほうえんを営んだ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
この怨みが積って保延ほうえん七年の二月定明は時国を夜討ちにした。その時に勢至丸は九つであった。
法然行伝 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「ではお時間もせまりますから、外に待たせてある衆僧をひきつれ、改めて、ご法莚ほうえんさんじ直すといたしましょう」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
少女をえがき、空想を生命とした作者が、あるいは砲煙ほうえんのみなぎる野に、あるいは死屍ししの横たわれる塹壕ざんごうに、あるいは機関砲のすさまじく鳴る丘の上に、そのさまざまの感情と情景をじょした筆は
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
法縁ほうえんによって、——大和島根やまとしまねにまで遥々はるばるその仏典や根本教義など、すべてを舶載して来て、この国の土に新しい文化を築き、この国の民の体血をとおして
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
燕王えんおうの兵を起したる建文元年七月より、恵帝けいていの国をゆずりたる建文四年六月までは、烽烟ほうえん剣光けんこうにして、今一々これを記するにものうし。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
しきりと耳を振って、露深い秋草を踏散して、いななく声の男らしさ。ひそかに勝利を願うかのよう。清仏しんふつ戦争に砲烟ほうえん弾雨の間を駆廻ったおやの血潮は、たしかにこの馬の胸を流れておりました。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
エルマンの演奏はやや豊婉ほうえんに過ぎるかも知れないが、代表的なイタリー古典を面白く聴かせるすべにはそつがない。良い演奏であると言ってよい。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)