-
トップ
>
-
べうぼう
天涯渺茫たる
絶海の
魚族は、
漁夫の
影などは
見た
事もないから、
釣れるとか
釣れぬとかの
心配は
入らぬ、けれど
餘りに
巨大なるは
眼界の
達する
限り
煙波渺茫たる
印度洋中に、
二人の
運命を
托する
此小端艇には、
帆も
無く、
櫂も
無く、たゞ
浪のまに/\
漂つて
居るばかりである。
見渡す
限り
雲煙渺茫たる
大空に
漂蕩して、
西も、
東も
定めなき
今、
何時大陸に
達して、
何時橄欖島に
赴き
得べしといふ
目的もなければ、
其内に
豫定の廿五
日も
※ぎ