“ふきた”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
吹立42.9%
吹断14.3%
吹溜14.3%
噴立14.3%
鋳立14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
廷珸は大喜びで、天下一品、価値万金ばんきんなんどと大法螺おおぼら吹立ふきたて、かねて好事こうずで鳴っている徐六岳じょりくがくという大紳たいしんに売付けにかかった。徐六岳を最初から廷珸は好い鳥だと狙っていたのであろう。
骨董 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
名にし負う神通二百八間の橋を、真中まんなか頃から吹断ふきたって、隣国の方へ山道をかけて深々と包んだ朝靄あさもやは、高く揚ってあさひを遮り、低く垂れて水を隠した。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
すらりと飯櫃形いびつなりの猿ヶ馬場ばんばに、吹溜ふきたまった落葉を敷いて、閑々と静まりかえった、うもれ井戸には桔梗ききょうが咲き、すすき女郎花おみなえしが交ったは、薄彩色うすさいしきしとねのようで、上座かみくらに猿丸太夫、眷属けんぞくずらりと居流れ
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
道中だうちうにも旅店はたごにも、我儘わがまゝばかりまをして、今更いまさらはづかしうぞんじます、しかしくるま駕籠かご……また夏座敷なつざしきだとまをすのに、火鉢ひばちをかんかん……で、鉄瓶てつびん噴立ふきたたせるなど、わたしとしましては
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
首を洗うに藉口かこつけて、毎年一度ずつ大判を洗い、錆を落とすところから、鋳立ふきたてのように新しい甲州大判! それが、手燭の光に燦然と輝いていた。
鸚鵡蔵代首伝説 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)