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はくぶんくわん
それは、子
供向きに
寫眞の
沿革から
撮影、
現像、燒
付の
法、それに
簡單な
暗箱の
作り方までを
説明してある。たしか
博文館發行の
少年
理科叢書の一
册だつたかと
思ふ。
広津と知つたのは、
廿一年の春であつたか、
少年園の
宴会が
不忍池の
長酡亭に
在つて、
其の
席上で
相識に
成つたのでした、
其頃博文館が
大和錦と
云ふ小説雑誌を出して
居て
窓と
筋斜に
上下差向つて
居る
二階から、
一度東京に
來て
博文館の
店で
働いて
居たことのある、
山田なにがしといふ
名代の
臆病ものが、あてもなく、おい/\と
沈んだ
聲でいつた。