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のやま
ほんとうの
名は
讃岐の
造麻呂といふのでしたが、
毎日のように
野山の
竹藪にはひつて、
竹を
切り
取つて、いろ/\の
物を
造り、それを
商ふことにしてゐましたので
しかしあの
赤い
水々した
實は、
長い/\
野山の
雪が
消えるまでの
間を、
神が
小鳥達の
糧食にと
備へられたものではないかと
思ふと、
痛々しく
鉈を
入れた
人の
罪が
恐ろしい。
私は、
二人の
姉が
星と
花になったとき、
小鳥となりました。それは、
野山を
飛びまわって
遊ぶためではありません。
毎日、
山河を
越えてゆく
旅人が
幾人あるかしれません。