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にんじやう
我等をして之に
信を
置かしむる勿れ、実行上の一致のみが
頼むに足るの一致なり、
自身の
主義を
実行し得ざる人は
人情の
秘密を
会得し得ざるが故に他を
容るゝ
雅量を有せず
隴を
得て
蜀を
望むは
夫れ
人情の
常なるかも、
百に
至れば
千をと
願ひ
千にいたれば
又萬をと
諸願休む
時なければ
心常に
安からず、つら/\
思へば
無一物ほど
氣樂なるはあらざるべし
派手好きな鴈治郎は、
刃傷の場で思ひきり派手な
往き方をして舞台を巧く
引つ
浚へて
往かうと註文をつけてゐたらしかつた。で、
火熨斗をあてた
白襦袢のやうに、真青に
鯱子張つて舞台へ出た。