“火熨斗”の読み方と例文
読み方割合
ひのし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
千登世は仕上の縫物に火熨斗ひのしをかける手を休めて、目顏を嶮しくして圭一郎をなじつたが、直ぐ心細さうにしをれた語氣で言葉を繼いだ。
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
どうやら底にまだ雨気あまきがありそうで、悪く蒸す……生干なまびの足袋に火熨斗ひのしを当てて穿くようで、不気味に暑い中にひやりとする。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
左の端には火熨斗ひのしぐらいの大きさの鐘がやはり枠の中に釣るしてあった。そのほかにはことが二面あった。琵琶びわも二面あった。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)