刃傷にんじやう)” の例文
但、役者自身歌舞妓者が多かつた為、舞台上の刃傷にんじやうや、見物との喧嘩などが多かつた。
亀千代は寛文九年に十一歳で総次郎綱基そうじらうつなもととなり、えて十一年、兵部宗勝の嫡子東市正宗興いちのかみむねおきの表面上の外舅ぐわいきうとなり、宗勝を贔屓ひいきした酒井雅楽頭忠清さかゐうたのかみたゞきよやしきでの原田甲斐はらだかひ刃傷にんじやう事件があつて
椙原品 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
派手好きな鴈治郎は、刃傷にんじやうの場で思ひきり派手なき方をして舞台を巧くさらへてかうと註文をつけてゐたらしかつた。で、火熨斗ひのしをあてた白襦袢しろしやつのやうに、真青に鯱子張しやちこばつて舞台へ出た。