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つツき
此路を
眞直に
參りますと、
左樣三河島と、
路を
行く
人に
教へられて、おや/\と、
引返し、
白壁の
見ゆる
土藏をあてに
他の
畦を
突切るに、ちよろ/\
水のある
中に
紫の
花の
咲いたる
草あり。
其のも
一ツの
廣室を
夢中で
突切つたが、
暗がりで
三尺の
壁の
處へ
突當つて
行處はない、
此處で
恐しいものに
捕へられるのかと
思つて、あはれ
神にも
佛にも
聞えよと、
其壁を
押破らうとして
拳で
敲くと