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ぢよこうば
若い
衆、
知つてるだらう、
此の
川下の
稻荷河原と
云ふ、
新地の
裏に
成る。
彼處に、——
遊廓の
女が、
遊藝から
讀書、
茶、
花なんぞの
授業を
受ける
女紅場と
云ふのがあるのを
其れがお
亡くなりなすつて、
母樣が、
女紅場へいらつしやつて、
踊やなにか、
遊藝の
師匠を
遊ばして、
手一つで、
貴下をお
育てなさります
時分は、
蔭ながらお
顏を
見ましたくらゐなもの。
女紅場で、お
師匠さんをなさります、
其のお
心の
中を
存じながら、
勿體ない、
引張りの
地獄宿で、
鮹の
脚を
噛りながら、
袖崎の
御新姐が
直傳だ、と
紀伊國は
音無瀬川の
狐が
憑いた
人畜が