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ぢうばこ
重箱に入
風呂敷に包みて和吉に
脊負せて
待間程なく長三郎は
身姿を繕ひ部屋の中より
立出來り兩親始め忠兵衞にも
挨拶成て和吉を
大喜びで、
其禮に、
若干の
銀貨を
與へやうとしたが、
如何しても
取らぬ。
強て
取らしめたら、
今度は
重箱に
味噌漬を
入れて
持つて
來て
呉れた。
及ばぬなり殘して歸るは
損故是へ包んで
持歸れと古びたる
油紙と
重箱を
出し治助どん去月の
幾日頃だの治助中市と思ひました
桃林寺門前の
佐印か三間町の
虎公か
何れ此兩人の中だと思はれますと
云ば十兵衞
成程々々斯つと十日は治助どんは
燒物獅子の
香爐新渡の
皿が五枚松竹梅三
幅對の
掛物火入が
一個八寸
菊蒔繪重箱無銘拵へ付脇差二尺五寸
瓢箪の
透しの
鍔目貫龍の丸は頭
角縁は