“けんがい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
懸崖64.9%
圏外19.3%
嶮崖8.8%
懸崕5.3%
険崖1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
自分はそばにいる人から浄瑠璃じょうるりにあるさがまつというのを教えて貰った。その松はなるほど懸崖けんがいを伝うようにさかに枝をしていた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
鉦鼓しょうこ喧噪けんそうしてひたすらに幽霊の追却につとめているのは、これまた仏教の圏外けんがいのものであるらしいことは、数年前にもすでにこれを説いたが
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
北の方嶮崖けんがいを下る八、九丁で、南穂高と最高峰とを連ねている最低部、横尾谷より来ると、この辺が登れそうに見えるがはなはだ危険だ、奥穂高と北穂高との間を通るがよい。
穂高岳槍ヶ岳縦走記 (新字新仮名) / 鵜殿正雄(著)
禿山はげやまで、いただきには樹木も無い。草花が所々懸崕けんがいの端に咲いてゐる。私の傍には二人の小兒こどもが居た。
(旧字旧仮名) / 吉江喬松吉江孤雁(著)
一行が準備じゆんびせらるる十日間の食糧しよくれう到底とうてい其目的そのもくてきを達せず、ことに五升ばかりの米をふをめいぜられて此深山しんざん険崖けんがい攀躋はんさいする如きは、拙者のあたはざる所なりと、だんじて随行をこばむ、衆相かへりみて愕然がくぜんたり
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)