“くつわむし”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:クツワムシ
語句割合
轡虫90.5%
轡蟲4.8%
聒々児4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
座敷がしんとして庭では轡虫くつわむしが鳴き出した。居間の時計がねむそうに十時をうったから一通り霊前を片付けて床に入った。
(新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
轡蟲くつわむしくらいなかへはなたれゝば、たゞちこゑそろへてく。土地とちれが一ぱんにがしや/\といふ名稱めいしようあたへられてるだけやかましくたゞがしや/\とく。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
かれはそれでもた々みうへひかりいとうてひさしちかむしろる。ゆがんだがぎし/\とるのにそれが彼等かれら西瓜すゐくわうりはたけおそころであれば道端みちばた草村くさむらから轡蟲くつわむしつてつて雨戸あまど隙間すきまからはなつ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
まるで聒々児くつわむしの鳴くようにやかましい女の声である。石田が声の方角を見ると、花壇の向うの畠を為切しきった、南隣の生垣の上から顔を出している四十くらいの女がいる。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)