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きゆうちゆう
と
拗ねて、どうすかしても、
叱つても
逢はうとしませんので、
女官は
面目なさそうに
宮中に
立ち
歸つてそのことを
申し
上げました。
或は
宮中でのお
祭りに
傳へられてゐた
歌などが、とびぬけて
勝れてゐます。
ある
時、
宮中の
女官たちがこの
匡衡を
嘲弄しようと
企んで、
和琴(
日本の
琴、
支那の
琴に
對していふ)を
差し
出して
一方勅使は
宮中に
參上して、その
夜の
一部始終を
申し
上げて、かの
手紙と
藥をさし
上げました。
といつて
歎きましたが、
姫はいよ/\
澁るばかりで、
少しも
聞きいれる
樣子がありませんので、
翁も
手のつけようがなくなつて、どうしても
宮中には
上らぬといふことをお
答へして