“きゅうこう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
躬行23.8%
窮巷14.3%
躬耕9.5%
九江9.5%
九皐4.8%
吸江4.8%
宮溝4.8%
急降4.8%
救荒4.8%
旧交4.8%
旧稿4.8%
穹窖4.8%
窮行4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ゆえにわれわれがもし事業を遺すことができずとも、二宮金次郎的の、すなわち独立生涯を躬行きゅうこうしていったならば、われわれは実に大事業を遺す人ではないかと思います。
後世への最大遺物 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
独り封建社会の継児たる智勇弁力の徒が指点してんして待ちたる動乱の機は来れり。ろう上に太息せる陳勝、爼辺そへんに大語せる陳平、窮巷きゅうこうに黙測する范増はんぞう圯上いじょうの書を玩味がんみする子房、彼らが時は既に来れり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
まだ出廬しゅつろをなさらない時分の毎日の生活と申しますのは、晴れた日には自分から陽当りのいい前畑に出て躬耕きゅうこうを致し、雨の日には自分の好むところの古今東西の書物を取ってごらんになる
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「それがしは九江きゅうこうの生れなので、周瑜とは郷里も近く、少年時代から学窓の友でした」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いつからとなく我々の心にまぎれこんでいた「科学」の石の重みは、ついに我々をして九皐きゅうこうの天に飛翔ひしょうすることを許さなかったのである。
市の東端吸江きゅうこうに架した長橋青柳橋あおやぎばしが風の力で横倒しになり、旧城天守閣の頂上の片方のしゃちほこが吹き飛んでしまった。
颱風雑俎 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
虹中天に懸り宮溝きゅうこう垂楊すいよう油よりも碧し。住み憂き土地にはあれどわれ時折東京をよしと思うは偶然かかる佳景に接する事あるがためなり。
夕立 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「あれを明けると、爬虫館の室温や湿度が急降きゅうこうして、爬虫はちゅう大危害だいきがいを加えることになるので、ちょっとでも駄目です」
爬虫館事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
この中には救荒きゅうこう食物は入っていない。またいわゆるいかもの食いの食えば食えるというものも入れてない。
食料名彙 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
先日、路傍でお目にかかった節は、連れがいたし雑沓ざっとうの中で失礼いたしたが、今夜はゆるりと旧交きゅうこうを温めたく思う、そして、自分がつきとめたお千絵殿の所在をお告げする。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
旧稿叢残手自編 〔旧稿きゅうこう叢残そうざん手自てずか
一夕 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
死ぬために飛び込んだのである。彼らの足が壕底ごうていに着くやいな穹窖きゅうこうよりねらいを定めて打ち出す機関砲は、つえを引いて竹垣の側面を走らす時の音がしてまたたに彼らを射殺した。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
千代子はほかに五六人の連れと同伴いっしょに定期乗車券を利用して、高田村の「窮行きゅうこう女学院」に通っているので、私は朝夕、プラットホームに立って彼女を送りまた迎えた。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)