躬行きゅうこう)” の例文
その目的は我日本国中にける気品の泉源、智徳の模範たらんことを期し、これを実際にしては居家きょか、処世、立国の本旨を明にして、之を口に言うのみにあらず、躬行きゅうこう実践
ゆえにわれわれがもし事業を遺すことができずとも、二宮金次郎的の、すなわち独立生涯を躬行きゅうこうしていったならば、われわれは実に大事業を遺す人ではないかと思います。
後世への最大遺物 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
そして其理論を実践躬行きゅうこうし、之を全国に伝播する媒介者として最も力あったものは、是等これらの神道と合流した役行者を始祖とする後に修験宗と呼ばれた一派であったと考える。
山の今昔 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
決して吝嗇りんしょくな人ではないのである。国のために質素倹約を率先躬行きゅうこうしていたわけなのである。
新釈諸国噺 (新字新仮名) / 太宰治(著)
単に実在の権威を失うのみならず、実行の権利すら失ってしまうのである。人間の智識が発達すれば昔のようにロマンチックな道徳を人にいても、人は誰も躬行きゅうこうするものではない。
文芸と道徳 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)