“おろち”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:オロチ
語句割合
大蛇81.0%
5.1%
巨蛇3.8%
遠呂智3.8%
於呂知1.3%
1.3%
乎呂知1.3%
太蛇1.3%
巨蠎1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼女は大蛇おろちのように息もつかずに飲んだ。そばに観ているお花は、だんだんに蒼ざめてゆく彼女の顔色に少しく不安をいだいて来た。
両国の秋 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
いまもなお道成寺には、おろちつかが残っているということである。一方、庄司の娘富子は、これがもとでついに病気にかかり、死んでしまった。
ガラッ八の巨蛇おろちのような鼾声いびきごえが、完全に若い女二人を護り通したのでしょう。
いまもなお悠然とこの日本の谷川に棲息せいそくし繁殖し、また静かにものを思いつつある様は、これぞまさしく神ながら、万古不易の豊葦原とよあしはら瑞穂国みずほのくに、かの高志こし八岐やまた遠呂智おろち
黄村先生言行録 (新字新仮名) / 太宰治(著)
西施せいし小観音こかんのん小槌こづち、おだまき、獅子丸、於呂知おろち、箱根、沖波などという白拍子しらびょうし名をそれぞれに持っており、わけて於呂知というのは
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一方は於呂知おろちを主将とする妓陣ぎじん、一方は白龍を将とする妓陣、二つにわかれて、はいたてとし、舌を矢として、虚々実々の婆娑羅合戦を展じたものといえなくもない。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
のの字を描き、しの字を描いて、風によじれ束になった焔が、おろちのように蜓って来る。
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
火のおろち
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
『古事記』の遠呂智おろちは『書紀』に大蛇とあり、『和名抄』に蛇和名倍美へみ一名久知奈波くちなわ、『日本紀私記』にいふ乎呂知おろちとあり、今俗には小さく尋常なるを久知奈波といひ、やや大なるを幣毘へびといふ
お仙さんとかいう太蛇おろち使い、さすが大江戸の芸人だけあって、水際みずぎわ立った立派な芸、それに大変美しい。
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
われ近ごろ、たけ獅子しし巨蠎おろちと、沙漠の真中まなかにて苦闘するさまを描ける洋画を見たり。題して沙漠の悲劇というといえどもこれぞ、すなわちこの世の真相なるべきか。
わかれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)