“おおかわ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
大川53.5%
大河27.9%
大鼓14.0%
隅田2.3%
隅田川2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
保吉は食後の紅茶を前に、ぼんやり巻煙草まきたばこをふかしながら、大川おおかわの向うに人となった二十年ぜんの幸福を夢みつづけた。……
少年 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
或る晩、家中、店先の涼み台で、大河おおかわから吹く風をれて、種々無駄話をしていました折から、師匠東雲師は、私に向い
トトと大鼓おおかわの拍子を添え、川浪近くタタと鳴って、太鼓のひびきみぎわを打てば、多度山たどさんの霜の頂、月の御在所ヶたけの影、鎌ヶ嶽、かむりヶ嶽も冠着て、客座に並ぶ気勢けはいあり。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
隅田おおかわに向いた中二階で、蒔絵まきえの小机の前を白魚しらお船がすぐ通る、欄干にもたれて、二人で月をた、などと云う、これが、駿河台へ行く一雪の日取まで知っているんだ。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
着流きながしと来て、たもとへ入れた、例の菓子さ、紫蘇入しそいり塩竈しおがま両提ふたつさげの煙草入と一所にぶらぶら、皀莢さいかちの実で風に驚く……端銭はしたもない、お葬式とむらいで無常は感じる、ここが隅田おおかわで、小夜時雨さよしぐれ
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
電車が万世橋めがねの交叉点を素直まっすぐに貫いても、鷲は翼を納めぬので、さてはこのまま隅田川おおかわ流罪ながしものか、軽くて本所から東京の外へ追放になろうも知れぬ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)