隅田おおかわ)” の例文
隅田おおかわに向いた中二階で、蒔絵まきえの小机の前を白魚しらお船がすぐ通る、欄干にもたれて、二人で月をた、などと云う、これが、駿河台へ行く一雪の日取まで知っているんだ。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
着流きながしと来て、たもとへ入れた、例の菓子さ、紫蘇入しそいり塩竈しおがま両提ふたつさげの煙草入と一所にぶらぶら、皀莢さいかちの実で風に驚く……端銭はしたもない、お葬式とむらいで無常は感じる、ここが隅田おおかわで、小夜時雨さよしぐれ
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)