たった一けん、大門に近いとある引手茶屋の店さき、閉めた障子の硝子越しに一人のお酌の大鼓を火鉢の上にかざしているのをみた以外には、三味線の音、太鼓の音一つわたしは聞かなかった。
“大鼓(鼓)”の解説
鼓(つづみ)は、漢字文化圏特有の伝統的な楽器のひとつで、もっとも狭義には小鼓を指す。砂時計型、または木製、ドラム缶型の胴の両面に革を張ってこれを緒で強く張る。緒は、能楽の世界では調緒(しらべお)または「調べ」という。この緒を締めたり緩めたりすることで音色を調節しながら、一方もしくは両方の革を手または桴で打って演奏する。その形態によって小鼓、大鼓、太鼓、羯鼓などがある。発音については、古代インドの打楽器 dudubhi または dundubhi から出たという説と、中国の都曇鼓(つどんこ)の音から出たという説がある。
(出典:Wikipedia)
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