“あぶらむし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
油蟲40.0%
油虫20.0%
蚜虫10.0%
蚜蟲10.0%
蜚虫10.0%
蜚蠊10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それははねあかいので赤蠅あかばへ土地とちではいつてる。はひでは油蟲あぶらむしくのはどうも出來できなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
患者等かんじゃら油虫あぶらむし南京虫なんきんむしねずみやからてられて、んでいることも出来できぬと苦情くじょうう。器械きかいや、道具どうぐなどはなにもなく外科用げかよう刄物はものが二つあるだけで体温器たいおんきすらいのである。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
また米を得るためには無数の浮塵子ふじんし(うんかのこと)をみなごろしにせねばならず、単に薔薇の花を賞玩するためのみにも数万の蚜虫あぶらむしを殺戮せねばならぬ
黄色きいろじゆくするうめ小枝こえだくるしめて蚜蟲あぶらむし滅亡めつばうしてしまほど霖雨りんうあきれもしないでつゞく。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
島木の文学の所謂健全性がその髄に飼っていてそこから蟻と蜚蠊あぶらむしのような関係で液汁を吸いとっている時代の虫を、阿部の文学は彼流の知性のつかわしめのようなものとしていると思える。
昭和の十四年間 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)