トップ
>
先刻
>
せんこく
ふりがな文庫
“
先刻
(
せんこく
)” の例文
と
泣々
(
なく/\
)
ずっと
起
(
た
)
って来ますと、
先刻
(
せんこく
)
から此の様子を聞いていまして、気の毒になったか、娘のおいさが紙へ三円包んで持ってまいり
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
少年
(
せうねん
)
の
指
(
ゆびさ
)
す
方
(
かた
)
を
眺
(
なが
)
めると
如何
(
いか
)
にも
大變
(
たいへん
)
!
先刻
(
せんこく
)
吾等
(
われら
)
の
通※
(
つうくわ
)
して
來
(
き
)
た
黄乳樹
(
わうにうじゆ
)
の
林
(
はやし
)
の
中
(
あひだ
)
より、
一頭
(
いつとう
)
の
猛獸
(
まうじう
)
が
勢
(
いきほい
)
鋭
(
するど
)
く
現
(
あら
)
はれて
來
(
き
)
たのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「決して旦那の後を跟けたわけぢや御座いません。
先刻
(
せんこく
)
旦那の前へ行つた、あの綺麗な新造が、何處へ行くかと思つて、ちよいと、その——」
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
其
(
それ
)
に、あゝ、
何
(
なん
)
とかの
端本
(
はほん
)
か、と
部屋頭
(
へやがしら
)
が
本
(
ほん
)
の
名
(
な
)
を
存
(
ぞん
)
じて
居
(
を
)
りますから、
中
(
なか
)
の
歌
(
うた
)
も
此
(
これ
)
から
引出
(
ひきだ
)
しましたのでは
先刻
(
せんこく
)
承知
(
しようち
)
とやらでござりませう。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
あたしを棄ててその刀を
引出物
(
ひきでもの
)
に弥生さまのところへ納まろうというんでございましょう? そんなこと、こちらは
先刻
(
せんこく
)
御承知でございますよ。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
こうして、
毎日
(
まいにち
)
、
同
(
おな
)
じような
谷川
(
たにがわ
)
の
音
(
おと
)
を
聞
(
き
)
いていなければなりません。
先刻
(
せんこく
)
でしたか、こまどりさんの
歌
(
うた
)
を
聞
(
き
)
きましたが、いつも、よい
声
(
こえ
)
ですね。
美しく生まれたばかりに
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
先刻
(
せんこく
)
そなたは三
途
(
ず
)
の
川
(
かわ
)
や、
閻魔様
(
えんまさま
)
の
事
(
こと
)
を
考
(
かんが
)
えていたらしいが、あれは
仏者
(
ぶっしゃ
)
の
方便
(
ほうべん
)
である。
嘘
(
うそ
)
でもないが
又
(
また
)
事実
(
じじつ
)
でもない。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
燄
(
ほのほ
)
を
眼
(
まなこ
)
の
忿怨神
(
いかりのかみ
)
よ、
案内者
(
あんないじゃ
)
となってくれい!……(チッバルトに對ひ)やい、チッバルト、
先刻
(
せんこく
)
足下
(
おぬし
)
が
俺
(
おれ
)
にくれた「
惡漢
(
あくたう
)
」の
名
(
な
)
は
今
(
いま
)
返
(
かへ
)
す、
受取
(
うけと
)
れ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
「おつぎはそんだが
頭髮
(
あたま
)
てか/\
光
(
ひか
)
らかせた
處
(
とこ
)
ら
善
(
よ
)
く
成
(
な
)
つちやつたつけぞ」
俄
(
にはか
)
に
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
した
樣
(
やう
)
に
先刻
(
せんこく
)
の
噺手
(
はなして
)
がいつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
却
(
かへつ
)
て
説
(
とく
)
吉兵衞は
宿
(
やど
)
りし
山家
(
やまが
)
の樣子何かに付て
疑
(
うたが
)
はしき事のみなれば
枕
(
まくら
)
には就けど
寢
(
ね
)
もやらず
越方
(
こしかた
)
行末
(
ゆくすゑ
)
のことを案じながらも
先刻
(
せんこく
)
主人
(
あるじ
)
の言葉に奧の一間を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
なにしろ、そんな騒ぎのおりからでもあるし、大して気にするものもなかったが、
先刻
(
せんこく
)
のひわという腰元だけは、これを聞くと、また血の気をなくして
顎十郎捕物帳:11 御代参の乗物
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
先刻
(
せんこく
)
申しあげたように探偵小説家という立場から僕は申すので、或いは実際と大いに違っているかも知れません。
省線電車の射撃手
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
おやじは
先刻
(
せんこく
)
御話をした通り、わしと終夜激論をしたくらいな間柄じゃが、せがれは五六歳のときに見たぎりで——実は貢五郎が早く死んだものだから
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
先刻
(
せんこく
)
から、
賛否
(
さんぴ
)
いずれともいわなかった、年のころ二十五、六
歳
(
さい
)
の
小柄
(
こがら
)
な紳士は、そのとき
突然
(
とつぜん
)
立ちあがって
ジェンナー伝
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
「さて」と
老人
(
ろうじん
)
はことばをついで、「
先刻
(
せんこく
)
の話にもどりましょう。ではこの子に三十フラン出すことにしよう」
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
『ええ、
先刻
(
せんこく
)
菊坂の
理髪店
(
とこや
)
だつてのが伴れて来ましたの。(お定を向いて)
此
(
この
)
方
(
かた
)
が旦那様だから御挨拶しな。』
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
いや
先刻
(
せんこく
)
考
(
かんがへ
)
があるとは云つたが、別にかうと
極
(
き
)
まつた事ではない。お前方二人は格別の間柄だから話して聞かせる。
己
(
おれ
)
は今暫く世の
成行
(
なりゆき
)
を見てゐようと思ふ。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
城太郎は黙って例の木刀を横に差し、
先刻
(
せんこく
)
作っておいた風呂敷づつみを斜めに背負い、ぽんと、
庵
(
いおり
)
の外へ飛び出して、まごまごしているお通へ剣突くを食わせた。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私は、診察の順番を待つ間——一時間近く——うかうかとその
場景
(
じょうけい
)
に見入って
居
(
お
)
りました。
先刻
(
せんこく
)
から、
殊
(
こと
)
に私の眼をひいた一人の四十前後の男の患者がありました。
病房にたわむ花
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
どういうわけでこんなおもてなしにあずかるのか
先刻
(
せんこく
)
からしきりに考えているのです。やはりどうもその
先頃
(
さきごろ
)
おたずねにあずかった
紫紺
(
しこん
)
についてのようであります。
紫紺染について
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
が、
先刻
(
せんこく
)
新
(
しん
)
七におこのの
後
(
あと
)
を
追
(
お
)
わせた
隙
(
すき
)
に、
二人
(
ふたり
)
とも、どこぞ
近所
(
きんじょ
)
へまぎれて
行
(
い
)
ったのであろう。もう一
度
(
ど
)
呼
(
よ
)
んで
見
(
み
)
た
松江
(
しょうこう
)
の
耳
(
みみ
)
には、
容易
(
ようい
)
に
返事
(
へんじ
)
が
戻
(
もど
)
っては
来
(
こ
)
なかった。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「さようでございまする。
且
(
かつ
)
はまた
先刻
(
せんこく
)
も申した通り、一かどの御用も勤まる侍にむざと命を
殞
(
おと
)
させたのは、何よりも
上
(
かみ
)
へ対し奉り、申し
訣
(
わけ
)
のないことと思って居りまする。」
三右衛門の罪
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
加之
(
しか
)
も
眼眩
(
まばゆ
)
きばかりに美しく着飾った貴婦人で、するすると窓の
側
(
そば
)
へ
立寄
(
たちよ
)
って、何か物を
投出
(
なげだ
)
すような手真似をしたが、窓は
先刻
(
せんこく
)
私が
確
(
たしか
)
に
鎖
(
と
)
じたのだから、
迚
(
とて
)
も自然に
開
(
あ
)
く筈はない。
画工と幽霊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
余は「みゝずのたはこと」の校正を
差措
(
さしお
)
いて、鶴子を連れて其席に
連
(
つら
)
なり、日暮れて帰ると、
提灯
(
ちょうちん
)
ともして迎えに来た女中は、デカが
先刻
(
せんこく
)
甲州街道で自動車に
轢
(
ひ
)
かれたことを告げた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
そこで
又
(
また
)
はげしい
戦
(
いくさ
)
がはじまりました。
保名主従
(
やすなしゅじゅう
)
は
幾
(
いく
)
ら
強
(
つよ
)
くっても、
先刻
(
せんこく
)
の
働
(
はたら
)
きでずいぶん
疲
(
つか
)
れている上に、百
倍
(
ばい
)
もある
敵
(
てき
)
に
囲
(
かこ
)
まれていることですから、とても
敵
(
かな
)
いようがありません。
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「けふは、○○の宮さんのとこへ招待されまして、つい、
先刻
(
せんこく
)
出ましたが——」
泡鳴五部作:02 毒薬を飲む女
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
通抜
(
とほりぬけ
)
無用の札を
路次口
(
ろじぐち
)
へ
貼
(
は
)
つて置くのは、
通抜
(
とほりぬけ
)
らるゝ事を
表示
(
へうし
)
するやうなものだと言つた人があるが僕も
先刻
(
せんこく
)
余儀
(
よぎ
)
なき用事で
或抜裏
(
あるぬけうら
)
へ
一足
(
ひとあし
)
這入
(
はい
)
るとすぐに
妙
(
めう
)
なる二つの声を聞いた
亭主
(
ていし
)
曰
(
いわ
)
く
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
「
蝋燭
(
ろうそく
)
をつけて参れ。随身に弓の
絃打
(
つるう
)
ちをして絶えず声を出して魔性に備えるように命じてくれ。こんな寂しい所で安心をして寝ていていいわけはない。
先刻
(
せんこく
)
惟光
(
これみつ
)
が来たと言っていたが、どうしたか」
源氏物語:04 夕顔
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
「つい
晩
(
おそ
)
くなって何うも相済みません。
先刻
(
せんこく
)
は失礼致しました」
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
子供等は
先刻
(
せんこく
)
昇天した
在りし日の歌:亡き児文也の霊に捧ぐ
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
實
(
じつ
)
は
先刻
(
せんこく
)
貴君等
(
きくんら
)
が
不思議
(
ふしぎ
)
にも
大輕氣球
(
だいけいきゝゆう
)
と
共
(
とも
)
に
此
(
この
)
印度洋
(
インドやう
)
の
波上
(
はじやう
)
に
落下
(
らくか
)
したと
聞
(
き
)
いた
時
(
とき
)
から、
私
(
わたくし
)
は
心
(
こゝろ
)
に
或
(
ある
)
想像
(
さうざう
)
を
描
(
えが
)
いて
居
(
を
)
るのです。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
娘「
悪武士
(
わるざむらい
)
に
掴
(
つか
)
まって
私
(
わたくし
)
はもう殺される処を、通り掛りの旦那様に助けられて、そして其の方は
先刻
(
せんこく
)
お休みなすったお方で」
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
不図
(
ふと
)
自分
(
じぶん
)
に
返
(
かえ
)
って
見
(
み
)
ると、お
爺
(
じい
)
さんも、
又
(
また
)
守護霊
(
しゅごれい
)
さんも、
先刻
(
せんこく
)
の
姿勢
(
しせい
)
のままで、
並
(
なら
)
んで
神壇
(
しんだん
)
の
前
(
まえ
)
に
立
(
た
)
って
居
(
お
)
られました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
中間
(
ちうげん
)
七助と云ふ者
先刻
(
せんこく
)
より此樣子を見て
心
(
こゝろ
)
可笑
(
をかし
)
く走り出で主人を
止
(
とゞ
)
め
先々
(
まづ/\
)
御待下
(
おんまちくだ
)
さるべし只今彼方にて承まはりしが
御立腹
(
ごりつぷく
)
は
御道理
(
ごもつとも
)
なり然しながら女を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
この分では今に酔払って
前後
(
ぜんご
)
がわからなくなるのであろう。私は今のうちに、
先刻
(
せんこく
)
の話を聞いて置こうと考えた。
地獄街道
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
このとき、トロッコが、ほかの
石炭
(
せきたん
)
を
積
(
つ
)
んで
山
(
やま
)
から
下
(
くだ
)
ってきました。つたの
葉
(
は
)
の
上
(
うえ
)
にとまっていたはちは、
先刻
(
せんこく
)
の
石炭
(
せきたん
)
は、いまごろどこへいったろう……。
雪くる前の高原の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「
左少将
(
さしょうしょう
)
さま。
福島正則
(
ふくしままさのり
)
さまが、ちとご別室で
御意
(
ぎょい
)
得たいと
先刻
(
せんこく
)
からおまちかねでござります」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
能
(
い
)
いか悪いか
頓
(
とん
)
と分りません、いくら甘木さんにかかったって、あんなにジャムばかり
甞
(
な
)
めては胃病の直る訳がないと思います」と細君は
先刻
(
せんこく
)
の不平を
暗
(
あん
)
に迷亭に
洩
(
も
)
らす。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
先刻
(
せんこく
)
より御覧に入れた、此なる
剣
(
つるぎ
)
、と哥太寛の云つたのが、——
卓子
(
テエブル
)
の上に置いた、
蝋塗
(
ろうぬり
)
、
鮫鞘巻
(
さめざやまき
)
、
縁頭
(
ふちがしら
)
、
目貫
(
めぬき
)
も
揃
(
そろ
)
つて、金銀造りの
脇差
(
わきざし
)
なんです——此の日本の
剣
(
つるぎ
)
と
一所
(
いっしょ
)
に
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
道翹
(
だうげう
)
は
不審
(
ふしん
)
らしく
閭
(
りよ
)
の
顏
(
かほ
)
を
見
(
み
)
た。「
好
(
よ
)
く
御存
(
ごぞん
)
じでございます。
先刻
(
せんこく
)
あちらの
厨
(
くりや
)
で、
寒山
(
かんざん
)
と
申
(
まを
)
すものと
火
(
ひ
)
に
當
(
あた
)
つてをりましたから、
御用
(
ごよう
)
がおありなさるなら、
呼
(
よ
)
び
寄
(
よ
)
せませうか。」
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
自分が
先刻
(
せんこく
)
晩餐を済ましてから、
少許
(
すこし
)
調査物
(
しらべもの
)
があるからと云つて話好の伯母さんを避け、此十畳の奥座敷に立籠つて、余り
明
(
あか
)
からぬ
五分心
(
ごぶじん
)
の洋燈の前に此筆を取上げたのは、実は
葬列
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
壁辰は、水でも
呑
(
の
)
みに台所へ行ったのだろう——と思っているところへ、
先刻
(
せんこく
)
の
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
塚田巡査は
先刻
(
せんこく
)
から
待侘
(
まちわ
)
びていたらしい、暗い中から慌しく進み寄って、
先
(
ま
)
ず
其
(
そ
)
の無事を祝した。権次は畚から降り立って、合図の綱を強く
曳
(
ひ
)
くと、上ではおうと答えて、畚をするすると
繰上
(
くりあ
)
げた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
鼻緒にしたる
下駄
(
げた
)
の音荒々しく俊雄秋子が妻も
籠
(
こも
)
れりわれも籠れる武蔵野へ一度にどっと示威運動の
吶声
(
ときのこえ
)
座敷が座敷だけ秋子は
先刻
(
せんこく
)
逃水「らいふ、おぶ、やまむらとしお」へ特筆大書すべき始末となりしに俊雄もいささか
辟易
(
へきえき
)
したるが弱きを
かくれんぼ
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
『
實
(
じつ
)
は
先刻
(
せんこく
)
急
(
きふ
)
に
思
(
おも
)
ひ
立
(
た
)
つて、
此
(
この
)
兵曹
(
へいそう
)
と
共
(
とも
)
に
遊獵
(
いうれう
)
に
出
(
で
)
たのが、
天幸
(
てんこう
)
にも
君等
(
きみら
)
をお
助
(
たす
)
け
申
(
まう
)
す
事
(
こと
)
になつたのです。』と
言
(
い
)
ひながら、
大空
(
おほぞら
)
を
仰
(
あほ
)
ぎ
見
(
み
)
て。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
しかも
敵影
(
てきえい
)
は
巧
(
たく
)
みにカムフラージュされて、我々はその
覘
(
ねら
)
いどころが見付からないのです。で
先刻
(
せんこく
)
申しあげたように、あなたの
御尽力
(
ごじんりょく
)
を乞いたいわけです。
国際殺人団の崩壊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
以て天一坊へ申上られける樣は
先刻
(
せんこく
)
より重役ども一同御身の上
委細
(
ゐさい
)
承知仕り
斯
(
かく
)
の如く
慥
(
たしか
)
なる御證據ある上は何を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
それは、みつばちが、
先刻
(
せんこく
)
いった
学者
(
がくしゃ
)
たちの一
行
(
こう
)
であります。その
中
(
うち
)
の
白
(
しろ
)
い
洋服
(
ようふく
)
を
着
(
き
)
て、
眼鏡
(
めがね
)
をかけた
一人
(
ひとり
)
は、とこなつの
花
(
はな
)
の
咲
(
さ
)
いている
前
(
まえ
)
に
歩
(
あゆ
)
み
寄
(
よ
)
りました。
公園の花と毒蛾
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
鹽「成程賊という者は様々のことを云うものだな、
先刻
(
せんこく
)
荷物を
攫
(
さら
)
って
往
(
ゆ
)
く様子が貧の盗みとは思えんわい」
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
しばらくするとお
爺
(
じい
)
さんは
私
(
わたくし
)
が
先刻
(
せんこく
)
霊眼
(
れいがん
)
で
見
(
み
)
た
一人
(
ひとり
)
の
老人
(
ろうじん
)
を
連
(
つ
)
れて
再
(
ふたた
)
びそこへ
現
(
あら
)
われました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
“先刻”の意味
《名詞・形容動詞》
先程。ちょっと前。
以前から。すでに。とっくに。
(出典:Wiktionary)
先
常用漢字
小1
部首:⼉
6画
刻
常用漢字
小6
部首:⼑
8画
“先刻”で始まる語句
先刻程