“蝋塗”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ろうぬり30.4%
ろうぬ26.1%
ろぬり17.4%
ろぬ13.0%
らふぬり8.7%
ろふぬり4.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
黙って母家おもやの方を伏し拝むと、心静かに取上げたのは言うまでもなく短刀。蝋塗ろうぬりさやを払って、懐紙をキリキリと巻くと、紋服の肌をひろげて、左脇腹へ——。
蝋塗ろうぬりに螺鈿らでんを散らした、見事なさやがそこに落散って、外に男持の煙草入が一つ、金唐革きんからかわかますに、そのころ圧倒的に流行はやった一閑張いっかんばりの筒。
匕首あひくちさやが一本、蝋塗ろぬりのありふれた品で、あんなのは何處にでもありますが、——それが六七間離れた橋板の上に棄ててありました」
それは女持らしいこしらへの華奢きやしやな短刀で、蝋塗ろぬりの鞘は少し光澤を失つて居り、拔いて見ると切尖に錆が浮いて、血潮の跡などは一つもありません。
宗次郎は靜かにつて、形ばかりの戸棚から、蝋塗らふぬり禿げた鞘を持つて來て、平次の前に押しやりました。
と、そこにはこの脇差のものらしい、こればかりはピカピカする蝋塗ろふぬりさやが一つ、無造作に入れてあつたのです。