鼻糞はなくそ)” の例文
「俺が憎いと思ふのは——年中お先煙草を狙ふ奴と、鼻糞はなくそを掘つて八方へ飛ばす奴と、ほこりだらけな足で人の家へ入る奴と——それから」
それから鼻糞はなくそをほじくっている子供がいましたっけ。大かた鴎村さんが大発見の追加を出すだろうと、僕は思ったのです。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
そのうちに欠伸あくびが出てならないので、ひじ掛窓にって、大川の夜空を見ながら、無意識に鼻糞はなくそをほじっていた。
濞かみ浪人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
アンドレエフに百姓が鼻糞はなくそをほじる描写べうしやがある。フランスに婆さんが小便をする描写がある。しかしをする描写のある小説にはまだ一度も出あつたことはない。
続野人生計事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
鼻糞はなくそほどのボーナスを貰ってカフェーへ駈込んだり、高等官になったとて嚊殿かかあどのに誇るような極楽蜻蛉ごくらくとんぼ菜畠蝶々なばたけちょうちょうに比べては、罪が深い、無邪気で無いには違い無いが
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
一番無雑作むぞうさでかつおかしいと思ったのは、何ぞと云うと、手のあか鼻糞はなくそを丸めて丸薬がんやくを作って、それを人にやる道楽のある仙人であったが、今ではその名を忘れてしまった。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「お! そうだったな。眼糞めくそ鼻糞はなくそを笑うのたぐいか——しからば、これはどうだ?」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
鼻糞はなくそ記事の軽重、大小を見分けるためにはとり餌箱えばこ式の県予算、さい河原かわら式土木事業の進行状態、掃溜はきだめ式市政の一般、各市町村のシミッタレた政治分野、陣笠代議士、同じく県議、ワイワイ市議
山羊髯編輯長 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「なンのああた、あれ位ァ鼻糞はなくそにもなろうかいた」
冬枯れ (新字新仮名) / 徳永直(著)
鼻糞はなくそ7・3(夕)
「番頭の和助の横つ面へ叩きつけて、思ひつ切り啖呵たんかを切つたぜ。——佛から借りた一兩二分の借金に、鼻糞はなくそ程だが香奠まで添へて持つて來た八五郎だ、見損なやがつたか——つて」
「番頭の和助わすけり横っ面へ叩きつけて、思いっ切り啖呵たんかを切ったぜ。——仏から借りた一両二分の借金に、鼻糞はなくそほどだが香奠まで添えて持って来た八五郎だ、見損なやがったか——って」
加賀の白山から出て來た伍助といふ男で、熊のだか鼻糞はなくそだか、變なものを賣り歩いて、四つ目の八軒長屋の奧に住んで居りますが、近所から文句が出ても、ニヤリニヤリ笑つててこでも動かねえ。
長屋の奴等は薄情だから、鼻糞はなくそほどの香奠を
長屋の奴等は薄情だから、鼻糞はなくそほどの香奠を