トップ
>
鹵簿
>
ろぼ
ふりがな文庫
“
鹵簿
(
ろぼ
)” の例文
鹵簿
(
ろぼ
)
は難なく、洛陽へさして進んだ。心ひそかに舌を巻いたのは董卓であった。天性備わる陳留王の威風にふかく胆を奪われて
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
上野
広小路
(
ひろこうじ
)
黒門町のうなぎや
大和田
(
おおわだ
)
は、祖母に金のことで助けられていたので、その日も私たち子供に、最大公式の
鹵簿
(
ろぼ
)
を拝観させようと心配してくれた。
旧聞日本橋:21 議事堂炎上
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
家康
(
いえやす
)
は「上を見な」「身の
程
(
ほど
)
を知れ」の「五字七字」を秘伝とまで考えたから、家臣の美服を戒め
鹵簿
(
ろぼ
)
の倹素を命じた。そこに趣味の相違が現われている。
「いき」の構造
(新字新仮名)
/
九鬼周造
(著)
抽斎は大名の行列を
観
(
み
)
ることを喜んだ。そして家々の
鹵簿
(
ろぼ
)
を記憶して忘れなかった。「新武鑑」を買って、その図に着色して自ら
娯
(
たのし
)
んだのも、これがためである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
明治十一年——明治天皇が
北国御巡幸
(
ほつこくごじゆんかう
)
の際、九月三十日午前十一時五十分、
鹵簿
(
ろぼ
)
粛々として東水橋町に
御着輦
(
ごちやくれん
)
になり、慮瀬といふ旧家に御座所を設けたが、その時の行列は八百三十五人
念仏の家
(新字旧仮名)
/
小寺菊子
(著)
▼ もっと見る
曰く〈ここにおいて忠広荘内に百石を給い(その子)光正を飛騨に幽し
餼廩
(
きりん
)
百人口を給う、使者本門寺に往き教を伝う、忠広命を聴き侍臣に命じて
鹵簿
(
ろぼ
)
中の槍を取り、
諸
(
これ
)
を使者に示して曰く
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
後、緯が二十五になって、進士に挙げられ、行人の官になって、命を奉じて西岳華山の神を祭りに往ったが、
華陰
(
かいん
)
にかかると、
輿
(
こし
)
に乗って
羽傘
(
はねがさ
)
をさしかけて往く一行が
鹵簿
(
ろぼ
)
に衝っかかってきた。
陸判
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
鹵簿
(
ろぼ
)
の
還幸
(
かんこう
)
には、全山お名残りを惜しんで、聖武の帝の
古
(
いにし
)
えもかくやと、みな申し
囃
(
はや
)
したものでしたが……今、やつれ
輿
(
ごし
)
にて、ここへ御避難あらせ給うと聞くや
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして意外にも、
僅
(
わずか
)
に二歳であった保さんが、父に「武鑑」を
貰
(
もら
)
って
翫
(
もてあそ
)
んだということを聞いた。それは
出雲寺板
(
いずもじばん
)
の「
大名
(
だいみょう
)
武鑑」で、
鹵簿
(
ろぼ
)
の道具類に彩色を施したものであったそうである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
西の宮から先、
鹵簿
(
ろぼ
)
は、正成以下の
畿内
(
きない
)
の兵数千が露ばらいして進み、六月五日の夕、
東寺
(
とうじ
)
に着いた。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
だから
曠
(
は
)
れの凱旋の
鹵簿
(
ろぼ
)
をお迎えに——と、これへ来ても、正成はじめ、弟の
正季
(
まさすえ
)
、一族すべて、特別、身にかざる
綺羅
(
きら
)
なよろい太刀や行粧などは持ち合せていなかった。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
帝をはじめ、茫然、疑い怖れているばかりだったが、時に
袁紹
(
えんしょう
)
あって、
鹵簿
(
ろぼ
)
の前へ馬をすすめ
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
新田義貞からの早打ち——鎌倉大捷の上奏文——をたずさえた急使、長井六郎、大和田小四郎のふたりは、福原(神戸)の道で
鹵簿
(
ろぼ
)
の列に会し、思わず
供奉
(
ぐぶ
)
の前列へ走りよって
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
供奉の公卿百官から
滝口
(
たきぐち
)
(近衛兵)の
甲冑
(
かっちゅう
)
まで、洩るるはなき
鹵簿
(
ろぼ
)
であったが、俊基朝臣だけは、天皇のお
還幸
(
かえり
)
を仰いだ後も、あとの残務にとどまるものと見せて、じつは飄然
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
わけて鮮やかに思い出せるのは、在留シナ人の葬式と、明治天皇行幸の
鹵簿
(
ろぼ
)
であった。
忘れ残りの記:――四半自叙伝――
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鹵簿
(
ろぼ
)
はたしかオープンの三頭立て馬車で、道幅せまい相沢の貧民街も通ってゆく。
天皇と競馬
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鹵簿
(
ろぼ
)
はたしかオープンの三頭立て馬車で、道幅せまい相澤の貧民街も通つてゆく。
折々の記
(旧字旧仮名)
/
吉川英治
(著)
と、
鹵簿
(
ろぼ
)
の間近まで寄ってくる様子なのだ。帝は、戦慄されて、お答えもなし得ないし、百官も皆、怖れわななき、さすがの袁紹さえも、その容態の立派さに、呆っ気にとられて
阻
(
はば
)
めもできなかった。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鹵
漢検1級
部首:⿄
11画
簿
常用漢字
中学
部首:⽵
19画
“鹵”で始まる語句
鹵獲
鹵獲品
鹵城
鹵莽