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駭然
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がいぜん
ふりがな文庫
“
駭然
(
がいぜん
)” の例文
彼はわざとらしい遠慮を
装
(
よそお
)
う男ではなかったから、なんらの技巧も加えず露骨にそのことを申し出た。クリストフは
駭然
(
がいぜん
)
とした。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
その
暗闇
(
くらやみ
)
の中にそのとき彼を見た者があったならば、
駭然
(
がいぜん
)
とし
呆然
(
ぼうぜん
)
として打ちひしがれたような彼の様子が見られたであろう。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
駭然
(
がいぜん
)
として夢か
覚
(
うつつ
)
か
狐子
(
こし
)
に
騙
(
へん
)
せらるるなからむやと思えども、なお勇気を
奮
(
ふる
)
いてすすむに、答えし男急に
呼
(
よ
)
びとめて、いずかたへ行くやと云う。
突貫紀行
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
考えが不図此事に及び、自分は
駭然
(
がいぜん
)
とした。如何程の必然がそのように、一見非常識に見えることの裡にあるか。
日記:09 一九二三年(大正十二年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
人か鬼か、実か
幻
(
まぼろし
)
か、魏の勢は
駭然
(
がいぜん
)
と
慄
(
ふる
)
えあがり、敢えて撃とうとする者もない。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
駭然
(
がいぜん
)
として目を覚ます、そう謂ったあり様に、おかれてあったのではないか。
山越しの阿弥陀像の画因
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
足取も次第々々に
緩
(
ゆるや
)
かになって、
終
(
つい
)
には虫の
這
(
は
)
う様になり、
悄然
(
しょんぼり
)
と
頭
(
こうべ
)
をうな垂れて二三町程も参ッた頃、
不図
(
ふと
)
立止りて
四辺
(
あたり
)
を
回顧
(
みまわ
)
し、
駭然
(
がいぜん
)
として二足三足立戻ッて、トある横町へ曲り込んで
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
平次も何か
駭然
(
がいぜん
)
とした心持です。
銭形平次捕物控:105 刑場の花嫁
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そして彼は
駭然
(
がいぜん
)
として考えた。「ああ、かくなり果てるよりもむしろ、あらゆる苦悶、あらゆる悲惨の方が!」
ジャン・クリストフ:04 第二巻 朝
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
マリユスは
駭然
(
がいぜん
)
として彼を横の方に招いた。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
これを見ていた両軍の兵は、
駭然
(
がいぜん
)
として
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
クリストフは
駭然
(
がいぜん
)
として、なぜであるか、どうしてこんなことが起こったのか、了解することができなかった。春になって河の氷解するのにも似ていた……。
ジャン・クリストフ:05 第三巻 青年
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
マリユスは
駭然
(
がいぜん
)
とした。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
駭然
(
がいぜん
)
とさけんだ。
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一身のうちに瞬間に起こるそれらの死滅や更生は、その一身を愛する人々をして
駭然
(
がいぜん
)
たらしむるものがある。
ジャン・クリストフ:10 第八巻 女友達
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
クリストフは
駭然
(
がいぜん
)
として家に帰った。その後毎日室に閉じこもった。仕事にかかることができなかった。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
オリヴィエは
駭然
(
がいぜん
)
として、コレットと交わりを絶ち、自分の不謹慎を許してくれとクリストフに願った。
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
と突然、彼は
駭然
(
がいぜん
)
とした。前方に、
径
(
みち
)
の曲り角のところに、二人の女が立って、こちらを眺めていた。
ジャン・クリストフ:04 第二巻 朝
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
クリストフは
駭然
(
がいぜん
)
として立止った。ゴットフリートはとぼとぼ歩きつづけていた。クリストフは答え返しもせずに、そのあとについていった。彼は酔いもさめてしまった。
ジャン・クリストフ:05 第三巻 青年
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
何事ぞ、この生
温
(
あたた
)
かい水が、この空粗な音楽が、自分の音楽であったのか?——彼は自分の作曲をひとわたり読み返してみた。そして
駭然
(
がいぜん
)
とした。さらに
腑
(
ふ
)
に落ちなかった。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
クリストフは
駭然
(
がいぜん
)
とした。彼はミンナの誠実を疑ってみなかった。彼は自分自身をとがめた。軽卒な馬鹿げた手紙を書き送ったので、ミンナが怒るのはもっともだと考えた。
ジャン・クリストフ:04 第二巻 朝
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
自己の本心の法則以外のあらゆる法則を脱したので、もう自由の身だと信じていた彼も、それらのフランス人に比べてはいかに自由の度が狭小だかを、
駭然
(
がいぜん
)
として感じたのである。
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
そして自分が最も愛していた楽匠中にも、
嘘
(
うそ
)
をついてる者のあるのを認めて
駭然
(
がいぜん
)
とした。初めはそれを疑おうとつとめ、自分の誤解だと思おうとつとめた。——だが、どうしても
駄目
(
だめ
)
だった。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
ローザは
駭然
(
がいぜん
)
として、彼の
傍
(
かたわ
)
らに駆け寄った。彼の頭をかかえて泣いた。
ジャン・クリストフ:05 第三巻 青年
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
“駭然”の意味
《名詞》
非常に驚くさま。愕然。
(出典:Wiktionary)
駭
漢検1級
部首:⾺
16画
然
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“駭”で始まる語句
駭
駭目
駭心
駭絶
駭訛
駭風
駭魄
駭驚仰天