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頸窩
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ぼんのくぼ
ふりがな文庫
“
頸窩
(
ぼんのくぼ
)” の例文
陽子は少年らしい色白な
頸窩
(
ぼんのくぼ
)
や、根気よい指先を見下しながら、内心の思いに捕われていた。その朝彼女の実家から手紙を貰った。
明るい海浜
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
幅の狭い茶色の帯をちょっきり
結
(
むすび
)
にむすんで、なけなしの髪を
頸窩
(
ぼんのくぼ
)
へ片づけてその
心棒
(
しんぼう
)
に鉛色の
簪
(
かんざし
)
を刺している。そうして
襷掛
(
たすきがけ
)
であった。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
春挙氏は石を集め出したのは、
漸
(
やつ
)
とこなひだなのに、もうそんなに噂が高まつたのかと、
頸窩
(
ぼんのくぼ
)
へ手をやつて、満足さうに声を立てて笑つた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
お種は
槽
(
おけ
)
の縁へ
頸窩
(
ぼんのくぼ
)
のところを押付けて、
萎
(
しな
)
びた乳房を温めながら、
一時
(
いっとき
)
死んだように成っていた。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
そういう病的な傾向は、強い
懸念
(
けねん
)
事があるごとにくり返された。やがては、激しい頭痛が起こって、あるいは
頸窩
(
ぼんのくぼ
)
や頭の両側がぴんぴん痛み、あるいは鉛の
兜
(
かぶと
)
をかぶったような気持になった。
ジャン・クリストフ:04 第二巻 朝
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
▼ もっと見る
男子は皆その頭の頂上を四角形に剃り開き、この四角形の前方の兩隅から
蟀谷
(
こめかみ
)
まで、頭の兩側を剃り下げる。頭の後部も同樣
頸窩
(
ぼんのくぼ
)
まで剃り下げる。前頭には一束の髮を殘して、その餘は剃り捨てる。
支那人弁髪の歴史
(旧字旧仮名)
/
桑原隲蔵
(著)
先づ誰が見ても世慣れた記者の筆だ。書いて了ふと、片膝を兩手で抱いて、
頸窩
(
ぼんのくぼ
)
を椅子の脊に載せて、處々から電燈の索の吊り下つた、煙草の煙りで煤びた天井を何處といふことなしに眺めてゐる。
我等の一団と彼
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
孔雀はちょっと、白い
頸窩
(
ぼんのくぼ
)
を見せたが
オフェリヤ殺し
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
茶の湯の大宗匠はそのなかに浸り、のんびりした気持になって頭のてっぺんや、
頸窩
(
ぼんのくぼ
)
にへばりついた土を洗い落した。
艸木虫魚
(新字新仮名)
/
薄田泣菫
(著)
思うまま春風に
曝
(
さら
)
して、
粘
(
ねば
)
り着いた黒髪の、
逆
(
さか
)
に飛ばぬを
恨
(
うら
)
むごとくに、
手巾
(
ハンケチ
)
を片手に握って、額とも云わず、顔とも云わず、
頸窩
(
ぼんのくぼ
)
の尽くるあたりまで、くちゃくちゃに
掻
(
か
)
き廻した。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
終
(
しまひ
)
にはあの『ざまあ見やがれ』の一言を思出すと、
慄然
(
ぞつ
)
とする
冷
(
つめた
)
い
震動
(
みぶるひ
)
が
頸窩
(
ぼんのくぼ
)
から背骨の髄へかけて流れ下るやうに感ぜられる。今は
他事
(
ひとごと
)
とも思はれない。
噫
(
あゝ
)
、丁度それは自分の運命だ。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
それを聞くと、三宅博士は
行
(
ゆ
)
き
詰
(
つま
)
つたやうに黙つて大西氏の席を見た。そして
検見
(
けんみ
)
でもするやうに自分の頭を
頸窩
(
ぼんのくぼ
)
から
前額
(
まへびたひ
)
へかけてつるりと撫で下してみた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
次ぎにはまた
頸窩
(
ぼんのくぼ
)
を押へたりした。そして
卓子
(
テーブル
)
に
両臂
(
りやうひぢ
)
をついて、じつと頭を抱へて、暫く考へ込んでゐたが、やつとの事で次のやうな検察書をかいてくれた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「すると俺かな。御心に叶はざる者つていふのは。」憲法学者は額にあててゐた
掌面
(
てのひら
)
で
頸窩
(
ぼんのくぼ
)
を押へた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
博士は霰酒と奈良潰とを一緒くたに鵜呑にしたやうに、耳も鼻も
頸窩
(
ぼんのくぼ
)
も真赤になつた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
と坊さんは感心したやうに
頸窩
(
ぼんのくぼ
)
へ手をやつた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
番頭はさも困つたらしく
頸窩
(
ぼんのくぼ
)
を抱へた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
頸
漢検準1級
部首:⾴
16画
窩
漢検1級
部首:⽳
14画
“頸窩”で始まる語句
頸窩骨