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韛
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ふいご
ふりがな文庫
“
韛
(
ふいご
)” の例文
そしてマリユスの発する一語一語に、鉄工場の
韛
(
ふいご
)
の息を炭火の上に吹きかけるようなさまが、その王党の老人の顔に現われた。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
馬盥
(
ばだらい
)
だの
韛
(
ふいご
)
だの
稲扱
(
いねこ
)
きだのが置いてあったが、そのずっと奥の方に、
裸体
(
はだか
)
蝋燭が燃えており、それを
囲繞
(
かこ
)
んで、六人の男が
丁半
(
しょうぶ
)
を争っていた。
血曼陀羅紙帳武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
斯う三叉でくじって、先ず屋体に
罅
(
ひび
)
を入らせる。一ふき
韛
(
ふいご
)
で火をかける。——どうだ。美事な、自然らしい悪意には、我ながら感服の外はない。
対話
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
そうしてそれが済むと、豚吉と一所に並べて火の中に突込んで、その上から残った炭を山のように積み上げて、ブウブウ
韛
(
ふいご
)
を動かし初めました。
豚吉とヒョロ子
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
三鳥山人
(著)
真っ黒な小屋の中には、あら金のような、男たちが、
韛
(
ふいご
)
をかけたり、炭を
焚
(
た
)
いたり、
鎚
(
つち
)
を振ったり、そして
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
そこは小さな
鍛冶屋
(
かじや
)
の工場で、
韛
(
ふいご
)
の火がかんかんおこっている傍に、銀のような裏白な髪をした老婆がいた。それは鉄の焼けるのを待っているような
容
(
ふう
)
であった。
馬の顔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
寛文
(
くわんぶん
)
のむかし
荘
(
さう
)
右エ門が(如法寺村)
庭
(
には
)
にて
韛
(
ふいご
)
をつかひたる時より
燃
(
もえ
)
はじめしとぞ。前にいふ井中の火も
医者
(
いしや
)
が
挑灯
(
てうちん
)
を井の中へさげしゆゑその陽火にてもえいだしたるなるべし。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
また煤けた顏で鳶色の紙帽を被つた怪物は
韛
(
ふいご
)
に風を送つてゐるのだが、一寸その柄に凭りかかつて、喘息病みの器械に長い溜息をつかせ、自分は鍛冶場の黒い煙と硫黄のちらつく光の中から
駅伝馬車
(旧字旧仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
しかし律動的な運動の合い間合い間には、種々の観念がつみ重なり、種々の幻像が浮かんでくる。身体の規則的な動作は、鉄工の
韛
(
ふいご
)
のようにそれらを
迸
(
ほとばし
)
り出させる。それが民衆の思想である。
ジャン・クリストフ:11 第九巻 燃ゆる荊
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
鼻がまるで鍛冶屋の
韛
(
ふいご
)
そつくりで、鼻の孔へは手桶に一ぱいづつ水を注ぎ込むことが出来るくらゐ! 唇と来たら、まつたくの話が、二本の丸太だ! 真赤な眼は仰むけに飛び出し、そのうへ
ディカーニカ近郷夜話 後篇:05 呪禁のかかつた土地
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
壊れた
韛
(
ふいご
)
のような声を出したので、吃驚して逃げ出しました。
四月馬鹿
(新字新仮名)
/
渡辺温
(著)
韛
(
ふいご
)
もある チェントンもある ネヂ切り機械もある
山之口貘詩集
(旧字旧仮名)
/
山之口貘
(著)
それから鍛冶屋にありたけの炭を集めて、ドンドン炉の中にブチ込んで、一生懸命
韛
(
ふいご
)
で火を吹き起しますと、その火の光りで家中が真赤になりました。
豚吉とヒョロ子
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
三鳥山人
(著)
その小さな狭い胸は、
鍛冶屋
(
かじや
)
の
韛
(
ふいご
)
のようにあえいでいた。その目は
賤
(
いや
)
しい幸福の色に満ちていた。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
寛文
(
くわんぶん
)
のむかし
荘
(
さう
)
右エ門が(如法寺村)
庭
(
には
)
にて
韛
(
ふいご
)
をつかひたる時より
燃
(
もえ
)
はじめしとぞ。前にいふ井中の火も
医者
(
いしや
)
が
挑灯
(
てうちん
)
を井の中へさげしゆゑその陽火にてもえいだしたるなるべし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
あたかも、
韛
(
ふいご
)
の窓のように、
灼熱
(
しゃくねつ
)
の光をおびて、
唇
(
くち
)
は一文字にかたくむすばれて、太子の廟窟から求める声があるか、この身ここに朽ち死ぬか、不退の膝を、
磐石
(
ばんじゃく
)
のようにくみなおした。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
まるで鉄を
熔
(
と
)
かしている炉の窓のようであり、それとともに
唇
(
くち
)
は、下腹からしている呼吸を、極めて平調に通わせているかのように見せていても、実は
韛
(
ふいご
)
のような熱
臭
(
くさ
)
い
火
(
か
)
ッ
気
(
き
)
をもっていた。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
韛
部首:⾱
20画
“韛”を含む語句
地蹈韛
地踏韛
地韛
一蹈韛
吹韛
地韛踏
韛土間
韛火