“雛子(ひなこ)” の例文
父親(ちちおや)は相当(そうとう)高(たか)い地位(ちい)の大宮人(おおみやびと)で、名(な)は狭間信之(はざまのぶゆき)、母親(ははおや)の名(な)はたしか光代(みつよ)、そして雛子(ひなこ)は夫婦(ふうふ)の仲(なか)の一粒種(ひとつぶだね)のいとし児(こ)だったのでした。
温泉郷(ごう)の平和な日になれて、毎日、日金山(ひがねさん)へ蜂の巣や鳥の雛子(ひなこ)ばかりさがしに行っていて、もしやの事があった場合は、何といって、御隠家様の前へ出よう、あの高麗村へ帰ってゆこう。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あなたの事(こと)はかねて滝(たき)の竜神(りゅうじん)さんから伺(うかが)って居(お)ります……。ではお言葉(ことば)に従(したが)ってこれからお邪魔(じゃま)を致(いた)そうか……。雛子(ひなこ)、この姨(おば)さまに御挨拶(ごあいさつ)をなさい。
これはこれは何(なに)よりのおもてなし……雛子(ひなこ)、そなたも御馳走(ごちそう)になるがよいであろう。世界中(せかいじゅう)で何(なに)が美味(おいし)いと申(もう)しても、結局(けっきょく)水(みず)に越(こ)したものはござらぬ……。