陸稻をかぼ)” の例文
新字:陸稲
かりしほと麥は刈られぬ。刈麥の穗麥は伏せて、畝竝うねなみにさららと置きぬ。麥刈ればそよぐさみどり、うねにすでに伸びつる陸稻をかぼならしも。
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
陸稻をかぼともはんねえもんだな、以前めえかたちがつていま時世ときよぢやさうだからこんで場所ばしよによつちや、百姓ひやくしやうにもたえしたころびがあるのよなあ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
陸稻をかぼばたけ畔道あぜみちを、ごほんごほんと咳入せきいりながら、かな/\はどこへゆくのでせう。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
わづかもちはさういふことでいくらもらないのに時間じかんつて、寒冷かんれい空氣くうきため陸稻をかぼ特色とくしよくあらはして切口きりくちからたちまちに罅割ひゞわれになつてかた乾燥かんそうした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
門畑やそよぐ陸稻をかぼの夜に入れば月ほそく見ゆ黒きのうへ
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
「おとつゝあ、それもなんだが、さうえにてやしめえし、こめでもすこしやつたらよかんべな、どうせすこつと陸稻をかぼれんだもの」おつぎはくちへた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)