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阿爺
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おやぢ
ふりがな文庫
“
阿爺
(
おやぢ
)” の例文
風間
敬之進
(
けいのしん
)
は、時世の為に置去にされた、老朽な小学教員の一人。丑松や銀之助などの若手に比べると、
阿爺
(
おやぢ
)
にしてもよい程の年頃である。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
中禅寺では夏のうちは鱒は釣れない事になつてゐるのを、この
阿爺
(
おやぢ
)
さんは
綸
(
いと
)
を垂れるが早いか、十五六
尾
(
ぴき
)
の鱒を釣りあげたので、
土地
(
ところ
)
の漁師を
吃驚
(
びつくり
)
させてしまつた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
坂井
(
さかゐ
)
は
道具屋
(
だうぐや
)
の
素性
(
すじやう
)
を
能
(
よ
)
く
知
(
し
)
つてゐた。
出入
(
でいり
)
の
八百屋
(
やほや
)
の
阿爺
(
おやぢ
)
の
話
(
はなし
)
によると、
坂井
(
さかゐ
)
の
家
(
いへ
)
は
舊幕
(
きうばく
)
の
頃
(
ころ
)
何
(
なん
)
とかの
守
(
かみ
)
と
名乘
(
なの
)
つたもので、
此
(
この
)
界隈
(
かいわい
)
では
一番
(
いちばん
)
古
(
ふる
)
い
門閥家
(
もんばつか
)
なのださうである。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
斯ういふ
阿爺
(
おやぢ
)
が——まあ、鋼鉄のやうに強いとも言ひたい阿爺が、病気の
前触
(
まへぶれ
)
も無くて、突然死去したと言つてよこしたとは。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
米国の飛行家パタアソン氏の郵便飛行用飛行機の製作者ゴウハム氏の
阿爺
(
おやぢ
)
さんは、米国でも指折りの釣りの名人ださうで、日本へ来る早々日光の中禅寺湖へ鱒釣に出かけて往つた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
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末広町
(
すゑひろちやう
)
には
阿爺
(
おやぢ
)
の家の懇意な
陶器屋
(
せとものや
)
がある。そこの旦那に誘はれで養育院を見に行つた。私は貧しい子供を前に置いて、小さなお
伽話
(
とぎばなし
)
を一つした。
突貫
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
多分函館の
阿爺
(
おやぢ
)
に話したら、私の願ひは聞いて貰へるだらう。けれども手紙でも駄目だ。その相談のためには、どうしても自分で出掛けなければ成らない。
突貫
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
男が白足袋を穿くなんて、柔弱だ——よく
阿爺
(
おやぢ
)
に言はれたものだ。僕の阿爺はやかましかつたからねえ。
伊豆の旅
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
私は唯ありふれたことを書いた。娘から見れば、番人の方は
阿爺
(
おやぢ
)
と言つても
好
(
い
)
い程の年配だ。私はその通り書いた。私は無いものを有るやうに見せる手品師では無い。
突貫
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
『隠せ。』——戒はこの
一語
(
ひとこと
)
で尽きた。しかし其頃はまだ無我夢中、『
阿爺
(
おやぢ
)
が何を言ふか』位に聞流して、唯もう勉強が出来るといふ嬉しさに家を飛出したのであつた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
阿
漢検準1級
部首:⾩
8画
爺
漢検準1級
部首:⽗
13画
“阿”で始まる語句
阿母
阿呆
阿魔
阿父
阿弥陀
阿諛
阿片
阿波
阿修羅
阿